10月末の第36回総会で選出された日本基督教団(東京都新宿区)の新三役が、同教団の機関紙「教団新報」で抱負を語った。今総会では、議長の山北宣久牧師(聖ヶ丘教会)、書記の鈴木伸治牧師(大塚平安教会)が四選を果たし、副議長には佐々木美知夫牧師(静岡教会)が初当選を果たした。山北議長は抱負で、教勢減衰に危機感を持つべきだと訴え、日本での伝道において来年の日本プロテスタント宣教150周年を一つの契機としていくことも大切だと語った。
「教会学校生徒減少、青年減退、献身者不足、これらに歯止めがかからぬ現状に慣れてはいけない。危機感を持つことだ。祈って現状打破を真剣に試みていく必要を痛感し出直しを計りたい」と山北議長は伝道不振に危機感を持つべきだと強調。来年のプロテスタント宣教150周年に関しても、反対する人は違った伝道方法を実践するべき、「要は伝道することだ」とした。
一方、今総会でも議論になった正餐問題については、「多様性が強調されるが違法聖餐は多様性の中に位置づけられるとは思っていない。これは基本線だ」と立場を明確にする一方、「未受洗者への配餐をこれみよがしに実行することも、戒規をちらつかせて脅かすことも自重せねばならぬ」「私も謙遜でありたいとは思っている」と語った。
今総会では、議長・副議長選挙でともに後宮敬爾牧師(札幌北光教会)が候補として挙げられ、得票数をそれぞれ161票、173票まで伸ばしたが、山北議長の193票、佐々木副議長の187票にまで及ばず、前総会同様に落選となった。
佐々木副議長は、新たに副議長に選出され「抱負というよりも責任の重さを強く感じている」とする一方、聖礼典、職制において教団としての一致点を見出すことが通れない課題となっていると語った。また、高齢化や若年層の減少についても触れ、「祈りつつ伝道に励む他に将来に対する手段はない」とした。
議長・副議長の一任という形で今期四選となった鈴木書記は、三役が担う職務の重要性について触れつつ、「この2年間、重い職務を担う議長の一端を担いつつ、務めを担う所存であります」と今後の意気込みを語った。