東京五輪に向けた米国代表選考会の女子400メートルハードルで27日、シドニー・マクラフリン(21)が、世界新記録となる51秒90をマークして優勝した。熱心なクリスチャンとして知られるマクラフリンは試合後、神への感謝を語り、すべての栄光を神にささげた。
女子選手が400メートルハードルで51秒台を記録したのは今回が初めて。これまでの世界記録は、同じく米国のダリラ・ムハンマド(31)が2019年に世界陸上選手権で出した52秒16。ムハンマドはこの日、52秒42で2位となったが、東京五輪出場を内定させた。
米キリスト教テレビ局CBN(英語)によると、マクラフリンは試合後に「すべての栄光は神に」とコメント。「今シーズンは新しいコーチと新しいサポートシステムの下で取り組んでいますが、正直なところ、これはまさに信仰であり、プロセスを信頼することです。これ以上のことは望めませんし、本当にすべては神様からの贈り物です」と語った。
「私は、自分自身の姿へと成長してきたのだと思います。そして、今年の最大の違いは、信仰、つまり神を信頼し、そのプロセスを信頼し、神がすべてをコントロールしていることを知っていることだと思います。私が努力している限り、神は私を導いてくださるのです。私は今、神に栄光をささげることしかできないです」
翌28日には自身のインスタグラム(英語)に、世界新記録を達成して驚く自身の写真を投稿。この選考会が「特別なもの」になると感じつつも、試合前には非常に重いプレッシャーを感じていたことを告白した。しかし、「主が私の肩の荷を降ろしてくださったおかげで、昨日はあんなに自由に走ることができたのです」と言い、次のように投稿した。
「私はただ、神が『自分に集中しなさい』とおっしゃるのを聞き続けました。それはこれまでにない最高のレースプランでした。私はもはや自己評価のために走るのではなく、すでに定められている主の完全な意志を反映させるために走るのです。私には何の価値もありません。しかし、恵みと信仰によって、イエスは私にすべてを与えてくださいました。記録は過ぎ去るものです。神の栄光は永遠に続く。父よ、ありがとうございます」
マクラフリンは1999年、陸上競技選手の両親の下に生まれた。兄も2016年のU20世界陸上選手権では、男子400メートルハードルで準優勝している「陸上ファミリー」だ。
米メディア「セルフ」(英語)によると、マクラフリンが陸上競技を始めたのは6歳の時。最初は400メートルハードルが好きではなく、100メートル走や200メートル走での活躍を目指していたが、高校時代のコーチの助言で400メートルハードルに転向。16年のリオ五輪には、米国の陸上競技チーム最年少の16歳で出場した。
幼い頃から競技中心の生活だったが、陸上競技に打ち込んだことで「世の中の狂った多くのこと」から守られたと言い、「これは確かに贈り物だと思います。その過程で友達もでき、高校の友達はきっとできない新しい経験をすることができました。でも、私はこれが自分の経験だと言うことができます」と話している。
試合前には必ず聖書の一節を読むと言い、最近は新約聖書のヘブライ人への手紙11章1節「信仰とは、望んでいる事柄を確信し、見えない事実を確認することです」を読むという。
「God Is Love(神は愛)」と書かれたブレスレッドを身に付けないで試合に望むことは考えられないと話すマクラフリンは、SNSのプロフィールや背景画像にも、「イエスは私を救った」(インスタグラム)、「(私は)神様の子」「恵みで救われた」(ツイッター)などと、臆することなく自身の信仰を表明している。
東京五輪の女子400メートルハードルは、いずれもオリンピックスタジアムを会場に、予選が7月31日(土)午前9時~正午に、準決勝が8月2日(月)午後7時~同10時に、決勝が同4日(水)午前9時~午後0時25分に行われる予定。