2010年の開催を目指す、日本クリストファー・サン国際大会の第5回目の実行委員会(中島秀一実行委員長)が12日、東京都千代田区のお茶の水クリスチャンセンターで開催された。サン氏自らも参加した今回の委員会では、会場の選定や人事面などの具体的な話し合いとともに、どのようにして超教派レベルでの協力を呼びかけ、大会へ対するビジョンを分かち合うことができるのか、大会に向けた各教会の動機付けについて話し合われた。
前回の委員会までに、正式名称が「日本クリストファー・サン国際大会」に決まり、サン氏の名前にあずかって通称「サンライズ・ミッション(Sunrise Mission)」と名づけられた同大会は、世界各国を巡る大衆伝道者のサン氏をメッセンジャーとして、関東地方にある大規模施設を会場に数万人規模の本格的なクルセード(大規模伝道集会)を目指す。
会場の候補としてはこれまでに、東京ドーム(東京都文京区、約4万5千人収容)や、味の素スタジアム(東京都調布市、約5万人収容)、日産スタジアム(神奈川県横浜市、約7万2千人収容)などが挙げられ、サン氏自らも各施設一つ一つに足を運んで会場選びが行われてきた。94年に東京ドームで開催され延べ15万人の参加者、5万5000人の決心者を出したビリー・グラハム東京国際大会も話に上がり、なかなか(伝道集会に)人が集まらない日本の事情を心配する声も挙がったが、「神様の前に良い器を用意すれば、神様が満たしてくださる」とサン氏は語った。新たな施設も候補として挙がり、会場選びは今後も続くことになる。
一方、今回特に大きな議題として取り上げられたのは、日本の諸教会を同大会開催に向けていかにして動機付けるのかであった。委員会の初めにサン氏は、「これからするクルセードは神様のビジョンです」と、第二列王記6章13〜17節を引用して短いメッセージを伝え、委員らは「皆がこのビジョン、使命を感じたらどうであろうか」と、大会開催へ向けた動機付けについて話し合った。
「下からの盛り上がりが必要だ」「大会の必要性を各団体のリーダーと話し合う必要がある」「まずは教会のリーダーが熱くならなければ」「一致してすることが大切」などと牧師、信徒それぞれの立場から大会の成功に向けて様々な意見が出された。一方で、現在までに決まっている主要な人事がいわゆる福音派の指導者が多いのではないかとの声もあり、「NCC(=日本キリスト教協議会)系やカリスマ派の方々へももっと呼びかけていかなければならない」(姫井雅夫・同実行委総務)と、垣根を越えた協力の呼びかけの必要性が指摘された。
また、大衆伝道の問題点として指摘されることが多い、大会後のフォローアップに関しても意見が出された。「(大会への参加だけで終わってしまう)打ち上げ花火になってはいけない」「教会につながらなければ意味が出てこない」とする声がある一方、「教会にすぐにつながらなくても、まずは福音を聞くことが大切だと思う」との意見も挙がった。サン氏は来年4月からは協力教会で大会へ向けた訓練会を開きたいとし、「各地でのトレーニングがしっかり行われれば、フォローアップは問題ない」と、事前の準備や訓練がフォローアップにもつながると語った。
中国系アメリカ人であるサン氏は、1984年よりクリストファー・サン伝道協会(CSEA)を設立し、米国を初め、カナダやロシア、カザフスタン、オランダ、マレーシア、フィリピン、台湾、韓国、香港、インドなど世界の各地を巡って福音を伝え続けている。05年より日本での伝道に力を入れ、06年には延べ約2700人を集めた「第5回首都圏キリスト教大会」で主講師としてメッセージを伝え、「第45回東京イースターのつどい」(07年)、「大阪府民イースター」(07年、08年)、「仙台圏キリスト教大会」(07年)、「クリストファー・サン熊本キリスト教大会」(08年)のほか全国各地の大会でメッセージを伝えている。来年7月11〜12日には、6500人収容可能な旭川大雪アリーナを会場に開催される「旭川ゴスペルナイト」でメインスピーカーを務める。
サン氏は1953年台湾生まれ。中原基督教大学(建築学士)、カリフォルニア大学バークレー校(同修士)、フラー神学大学(神学修士)、カリフォルニア神学大学院(哲学博士)を修了。同伝道協会は本部を米カリフォルニア州アルカディアに置き、世界福音同盟(WEA)、米国福音同盟(NAE)、福音主義会計基準(ECFA)などに加盟している。