【モスクワ=ENI・CJC】ロシア正教会バクー・近カスピ海教区のアレキサンデル主教が、来年9月アゼルバイジャンの首都バクーで宗教間対話が行われる際に教皇ベネディクト十六世とアレクセイ二世総主教が会見する準備が進行中、と語ったことが物議をかもしている。
RIAノーボスチ通信などが11月10日報じたところでは、「アレクセイ二世総主教と教皇ベネディクト十六世の歴史的な会談実現へ向けて、重要問題が議論されている」とアレキサンデル主教が語った。
世界宗教指導者のサミットは、2009年10月30日から11月2日にバクーで開催の予定。ベネディクト十六世とアレクセイ総主教双方とも招待されている、と各通信社は報じている。
RIAノーボスチ通信によると、アゼルバイジャン・カトリック教会の指導者ヤン・チャプラ氏は「そのような会談がバクーで行われることを望む」とは言うものの、実現するには相当な準備が必要だと強調した。
11日になってアレキサンデル主教は、発言が文脈を無視して引用されたり、誤訳された、と語った。理論上、教皇と総主教の会談が可能だと言っただけで、一度も、それがバクーで行われると断言してはいないと言う。
モスクワ総主教座の高位聖職者も、憶測を抑えようと懸命だ。「そのような会談の準備はまだ何もされていない」と対外教会関係事務局のイゴール・ヴィジャノフ局長は10日にインターファクス通信に語った。
総主教座対外関係部門のフセフォロード・シャップリン代表は、ロシア正教会は宗教間の対話を支持すると語ったものの、具体的に宗教指導者への招待はまだされていないと語った。
教皇と総主教が会談するためには、カトリック教会とロシア正教会の関係改善のための合意がなければならない、と同代表は言う。
「それが達成されれば、会談の時と場所を見つけることは非常に簡単だ。すでに各国から多数の提案が出されている」とインターファクス通信に語った。
モスクワ総大主教座は、カトリック側が否定しているものの、ロシア正教会の領域とみなしているところでカトリック教会が「改宗」を行っている、との不満を繰り返している。