国際キャンパス・クルセード・フォー・クライスト(CCC / Cru)は2日、公式サイト(英語)で、次期会長に執行副会長兼米国ナショナル・ディレクターのスティーブ・セラーズ氏を選出したと発表した。就任は10月初旬の予定。
選考には6カ月が費やされ、理事会は近年の世界的な状況と、CCCの今後の必要と優先順位を鑑み、セラーズ氏を選出したという。バリー・カナダ理事長は「CCCの次期会長は、米国と世界の両方で独特に組み合わされた課題に直面することになります。セラーズ氏は、深く謙遜に神に頼る姿を見せてくれました。また、リーダーたちの協力体制を構築する上で記録的な働きをしました。これにより、彼が未来に向かって堅実に私たちの世界的な働きを導いていくことができると私たちは自信を持って言えます」と述べた。
創立者の故ビル・ブライト氏と、現職のスティーブ・ダグラス氏に続く3代目の会長となるセラーズ氏は、感謝を示すとともに、「すべての国の物質的、精神的、霊的な必要のただ中で、すべての人がイエス・キリストの人生を変えるほどの愛と赦(ゆる)しに出会う必要があると、私たちは信じます」と述べた。
CCCによると、ダグラス氏は数カ月にわたって主から引退を示され、理事会と次期会長の選任について話し合いをしてきたという。選考に6カ月を要した理由には、今回で3代目と少ない代数しか経過していないこと、創立者であるブライト氏が関与しない最初の選考であること、設立時の1951年には存在しなかった世界的な現実のただ中での会長交代であることを挙げた。
セラーズ氏は、CCCの使命である「聖霊の力の中で、救霊、育成、派遣を通して、キリストの体(である教会)の伝道と弟子づくりを助け、大宣教命令の成就の助けとなること」から逸れることなく、福音を伝えていく計画だと意気込みを語った。
セラーズ氏は、ノースカロライナ大学(経営学)を卒業後、International School of Theology で修士号(聖書学)を取得。1976年にマーシャル大学でCCCのスタッフとなり、地方キャンパスのディレクターを務めた後、米国キャンパス宣教ディレクターや世界キャンパス宣教担当副会長などを歴任した。指導者としては、デジタル戦略の策定を通して、大学生をイエス・キリストにつなげるための新しい方法を模索するよう奨励してきた。
奉仕の中でさまざまな困難に直面することもあるスタッフのケアも長年行っており、2017年のインタビュー(英語)では、自身が理解するCCCの姿を3つのメタファー(隠喩)を通して表現している。
1つ目は「大宣教命令の軍隊(Great Commission Army)」。「福音をすべての人に届けるため、とにかく何でもやろう」という軍隊精神(アーミー・メンタリティー)を持っていること。
2つ目は「素晴らしい組織(Amazing Organization)」。大きく多様で、さまざまな種類の働きがあり、規約や手続きなど、組織としての側面があること。
3つ目は「家族(Family)」。互いに気遣い、相手のために最善を尽くす人々であること。
セラーズ氏は、数多くのスタッフと働きを共にしてきた経験から、これら3つのメタファーを用い次のように語った。
「彼ら(CCCのスタッフ)が度々巻き込まれる現象は、このうちの一つのメタファーを体験しているメンバーが、別のメタファーを望んでいるというものです。家族としてのCCCを体験している人が、実際は組織としてのCCCを願っている場合、本当は組織の一部でありたいだけなのに、軍隊のように犠牲を払うことを依頼される場合など、こうしたことがさまざまな混乱をもたらすこともあるのです。なぜなら、その3つは全部真実だからです。私たちは家族であり、組織であり、神様から召された軍隊でもあるからです」
「私たちのスタッフがある地点にいるとき、神様が彼らを動かすときがあります。もし、その動きが神様の召命に基づいたものであり、困難や神様の刈り込みから逃げるためでなければ、それは悪いものではありません。ですから、他の何かに聞き従うのではなく、イエス様の声に聞き従う必要があります。私たちは、自分と意見が同じ人の周りに集まりがちです。自分の考えを強化する内容を聞きたがります。ですから、聞きたくないことでも真実を言ってくれる人と共にいることも重要です」
その上でセラーズ氏は、価値観が多様化し、多極化が進む米国社会において、さまざまな背景を持つCCCのメンバーが一つとなるために、違いではなく共通点にもっと注目する必要性があると語っていた。
CCCは現在、190カ国以上で活動を展開し、約1万9千人のスタッフが8千の大学を拠点として宣教に励んでいる。伝道のために制作した映画「ジーザス」は10億回以上放映され、この4年間で映画を通して1億人が信仰を決心したという。