学生伝道団体「日本キャンパス・クルセード・フォー・クライスト」(日本CCC)は23日、新リーダーシップ就任セレモニーを東京都千代田区のお茶の水クリスチャン・センターで開催した。日本CCCのスタッフをはじめ、来賓や関係者ら120人が参加し、新代表に選出された江渕篤史氏を中心とする新しいリーダーシップ体制の祝福を祈り、「救霊」「育成」「派遣」というCCCの3大使命を共に再確認した。
CCCについて
「CCCは1951年、会社経営者のビル・ブライト夫妻によってアメリカのUCLAで始まりました。『今日の大学生、明日の世界』という、神から与えられたビジョンに忠実に従った夫妻を通じて、その年に250人の学生がキリストの弟子となりました。以来60年、大学生から始まった集まりはその枠を超えた数々の働きへと発展してきました。現在CCCインターナショナルは世界190か国で、2万人以上のフルタイムスタッフと20万以上のボランティアワーカーが仕える国際団体となっています。しかしCCCは、キリストの体という、世界大のクリスチャン共同体のわずかな一部にしかすぎません。私たちは神の前でへりくだりつつ、思いを同じくする諸教会・諸団体と協力しながら、聖書にある良い知らせをお届けし、大宣教命令の一助となることに専心していきたいと願っています」(CCC公式ホームページより)
日本では1962年に設立され、84年に栗原一芳代表を中心とした新体制がスタートした。2代目はウェンコン・ロー氏、3代目は中村光弘氏が代表を務めた。
就任式の冒頭、司会進行を務める栗原氏が来賓を紹介し、著名な牧師や教界関係者、日本CCCのスタッフが集う教会の牧師を中心に名前を読み上げた。続いて、前代表の中村氏があいさつし、新たに就任するリーダーシップを紹介した。
前任のスタッフから新スタッフへ「Movements everywhere」と刻まれたバトンが手渡されると、出席者から大きな拍手が沸き起こった。台湾CCC代表・東アジアCCC共同代表のスティーブン・ウォン氏、国際CCC・大学宣教部長のロジャー・オズベリスタン氏、韓国CCC代表・東アジアCCC共同代表のパク・ソンミン氏がそれぞれ登壇し、祝福の言葉を述べた。
最後は関係するスタッフとその家族が壇上へ上がり、各国の代表らが祝福と按手の祈りをささげ、一同賛美をもって閉会した。
日本CCC新代表・江渕篤史氏「リーダーとしての抱負」
「1年前の結婚記念日の夜でした。突然、CCC代表から次期リーダーシップの候補についてお話がありました。何かの間違いではないか、その晩は眠れませんでした。神様の御心を祈り求めました。
祈りの中で、リーダーとなっても、チームとして仕える心は同じだと示されました。無理をして異なる自分を演じるのではなく、自らの賜物と宣教の経験をささげることを喜んでくださると考え、新リーダーシップの責任を引き受けました。
2009~15年まで、私たち夫婦は、東アジアのある共産国で宣教師として仕えましたが、帰国後、半年の休暇と研修、1年間の報告を終え、今後どのように働こうか考えていた矢先の推薦だったのです。
CCCは日本の7都市に大学生宣教の拠点があります。私は新しい代表としてリーダーシップに就任した4人と協力し祈りながら、各都市で働くリーダーたちを励まし、組織を導いていきたいと願っています。何より、各地のCCCスタッフが信仰と愛をもって健全に働き、学生に仕えられるよう祈ります。
CCCの主役はやはり学生たちです。各大学のクリスチャン学生はまだ若く純粋ですが、その神への純粋さの故に、御言葉を通してさまざまなことを体験し学んでいってほしいです。
信仰は人生の土台です。やがて、大学生は社会人となり、人生の新たなステージを歩み始めます。また、それぞれがどこかの地域教会に根ざし、結婚して、家庭を築いていきます。そこから、本当の意味でキリストの弟子として、いかに神に従って生きるかという真価が問われていきます。
一生涯にわたる主の働きには、個人的関係が大切だと痛感しています。日本の教会において、キリストの弟子としての成長に必要なことは、1対1の関わりです。自分を愛し、気に掛けてくれる存在がどうしても必要です。そのようなつながりから信仰は成長し続けていくものです。
日本CCCは、大学の中へ入って学生伝道を行いますが、年々、大学側は宗教に対して警戒を強めています。ですから、部外者は入れなくなってきています。学生たちも、自分の知り合いや友人に伝道しようとしていますが、簡単には心を開いてはくれないことが多いようです。
このような時、ついついCCCスタッフは前面に出ようとしてしまいますが、学生が主役となり、いかに彼らを御言葉から動機付けしていくかが効果的な宣教のポイントになると考えています。
日本CCCの統計では、毎年福音を伝えた人のうち、平均すると約10パーセントが信仰告白をしています。しかし、その後、彼らがクリスチャンとして順調に歩めるとは限りません。ですから、彼らが救われた後に、救いの確信を得るように導くこと、また適切なフォローアップを継続し、地域教会につなげていくことが大切です。
CCCでは『四つの法則』(CCCの伝道用トラクト)を用いて伝道を行っていますが、次世代の人々に福音を効果的に届けていくためには、今の時代に合わせた方法を取り入れ、変えるべき点は変えなければなりません。いかに伝道&育成ツールをデジタル化していくかが、今後の大きな課題の1つです。21世紀の現代社会に合わせた宣教を考えていきたいです。お祈りを感謝いたします」
新たに就任したリーダーとスタッフは以下の通り。
石井誠司(いしい・せいじ) 人材育成部長
「私の働きはリーダー育成。宣教へ向かい、リーダーとしても成熟する。通常、この両立は難しいのですが、統合していきたいと考えています」
原康平(はら・こうへい) 大学生宣教部長
「学生たちはキリストの声を聞くために日々のディボーションを確立し、御言葉を実行してほしいです。神様を信じると常識では起こり得ないことが体験できます。すると、人々は『この人は何かが違う』と感じ、変わっていきます。信じて内面が変わり、キリストの弟子から弟子を生み出す。それをこの働きから見ていきたいです」
加納真実(かのう・まさよし) 本部事務局長
「神様によく聞くということを大切にしたいです。いろいろと責任もあり決断しなければなりません。人間的な考えだけではなく、1つ1つ神様に聞いて確信をいただきながら進んでいく、そのようなプロセスを大切にしたいです」
田畑歩(たばた・あゆむ) 大阪スタッフ
「僕はクリスチャンホームで育ちました。大学の時にキリストの弟子を生み出すCCCと出会いました。キリストに従う弟子を作り出す、イエス様の御言葉を実践して伝えられる人が少ないです。神様の声を聞き、忠実に歩み出す弟子を作りたいと祈ります」
ホワン・スーウェン(台湾出身) 大阪スタッフ
「大宣教命令を成就するためには、CCCだけでは完成は不可能です。他の団体と教会との関係が今後のキーポイントだと思っています」
金成哲(キム・ソンチョル、韓国出身、日本CCC協力宣教師) 神戸代表スタッフ
「日本での生活は今年で20年目になりました。2017年は次世代を見据え、弟子を作るだけではなく、弟子を生み出す、さらにその弟子を育てたいです」