静岡県浜松市にある教会「ぶどうの木」の教会員で、交通事故の後遺症で四肢麻痺・人工呼吸器装着の斉藤諒(りょう)さんが19日、事故に遭ったことをきっかけにイエス・キリストと出会い、これまで体験した奇跡の数々を書き記した『齊藤諒の生きる力~四肢麻痺・人工呼吸器装着の僕が伝えたいこと~』を Kindle 版の電子書籍で出版した。
小学生の時から野球に明け暮れていた斉藤さんは、高校生の時に交通事故に遭い、首から下が全く動かない四肢麻痺になった。呼吸することさえも器械に頼らざるを得なくなり、食事、入浴、排泄の世話まで家族の助けが必要となった自分の姿に、斉藤さんは絶望してしまう。
しかし、クリスチャンの先輩を通して「聖書」と出会ったとき、そこに書かれた命についての真理を知り、再び生きる希望を見いだしたという。「人間にできることではないが、神にはできる。神は何でもできるからだ」という御言葉から「必ず癒やされ、立ち上がり、歩けるようになる日が来る」という平安と確信が与えられたという。
斉藤さんは、「いずれ、立ちあがる日が来る!・・・その日をただ待っているのではなく、障がいを持った“今”という時間も大切に生きたいと思うようになった」と、事故に遭ったことさえも益であったと言い切れるほどの感謝で満ち溢れた毎日を送っている。
希望、喜び、感謝だけでなく、さらに聖書は、斉藤さんに「赦(ゆる)し」と「和解」をも与えてくれた。事件当時は、「俺をこんな体にしやがって!」と、加害者とその家族に対して言葉では表現できない悔しさ、憎しみの思いでいっぱいだったが、やがて斉藤さんは、御言葉から、どこまでも深い神の愛を教えられ、周りに目を向ける心の余裕が生まれるほどに内面から作り変えられていった。
そして斉藤さんは、加害者家族も事故の自責の念にとらわれ続けていることに気付き、そこから解放されてほしいと思うようになった。「聖書を学びませんか?」。今ではなんと、被害者家族と加害者家族が、そろって同じ教会に集う兄弟姉妹となっている。
8年前の交通事故をきっかけに、斉藤さんが実際に体験した聖書の御言葉の力、イエス・キリストによるさまざまな奇跡が、そのまま記されているこの本は、現在斉藤さんが通う通信制大学の卒業課題として執筆され、電子書籍として出版されることになった。高校卒業認定試験や大学進学、選挙の投票など、首から下が全く動かない状態で、これまで斉藤さんが乗り越えてきたさまざまな挑戦についても記されており、読む人に勇気や励ましを与える1冊にまとめられている。
■『齊藤諒の生きる力~四肢麻痺・人工呼吸器装着の僕が伝えたいこと~』(Kindle版)
■ 斎藤さんのブログ「諒のブログ」