日本基督教団(東京都新宿区、山北宣久議長)の秋季教師検定試験が先月、大阪市中央区の大阪クリスチャンセンターで行われ、受験者総数101人の内、合格者はその約4分の1の24人しかおらず、一方不合格者は17人に上ったことが、同教団の機関紙「教団新報」の情報でわかった。教師検定委員長の小堀康彦氏(富山鹿島町教会牧師)は今回の結果を「昨年に続いて大変厳しいもの」と評価。「(不合格者は)この結果を謙遜に受けとめていただき、良き備えを為して春の試験に臨まれることを期待」するとした。
同教団では06年秋季以降、教師試験が一会場体制で行われるようになり、9月16日から18日まで行われた08年秋季試験には、正教師志願者73人、補教師志願者28人の合わせて101人が受験。正教師の受験には、補教師(伝道師)としての2年以上の教会奉仕が必要であり、秋季試験では正教師志願者が多く受験する。
今回の正教師試験では、合格者23人、保留者36人、不合格者15人。補教師試験では、合格者1人、保留者8人、不合格者2人、Cコース受験者の18人が継続となった。保留者は、学科試験の結果が合格点にわずかに及ばなかった受験者で、レポートが課せられ、後日提出レポートによる再判定を受けることになる。
小堀氏は、「この試験は、神様からの召命に応えるために、各々がどのような『学びの姿勢』を整えているかを見るものです。日常の説教や祈祷会等の為にきちんとした準備をすること。それが、この試験のための何よりの備え」と、試験用の勉強ではなく、普段からの説教用意などが重要であると指摘した。
08年秋季試験では、▽教会・伝道所が担任教師を招聘する場合に必要な手続きについて、「教憲教規および諸規則」の該当箇所を挙げて述べてください(教憲教規および諸規則・宗教法人法)、▽新約聖書の使信の多様性と統一性について論じてください(新約聖書神学)、▽旧約聖書における「聖」について述べてください(旧約聖書神学)、▽11世紀の「叙任権闘争」と、その終結となったヴォルムス協約について述べなさい(教会史)などが出題された。