ローザンヌ世界宣教委員会のダグ・バーゼル国際委員長は27日、2010年に予定されている第3回ローザンヌ世界伝道会議について、キリスト教宣教に対して近年新たに生まれている脅威と懸念事項を議題として扱う考えを示した。
25日からタイのパタヤで開かれている世界福音同盟(WEA)の総会に出席したバーゼル氏は27日の本会議演説の中で、「歴史的にも、教会の生命の未来が内部または外部から来る脅威にさらされたとき、このような集まりは必ず必要とされてきた」と語り、次回のローザンヌ会議において福音主義教会が一致して取り組むべき新たな課題があることを強調した。
具体的に、今日のキリスト教会が抱える課題として、思想的危機、文化的危機、リーダーシップの危機の3つを指摘。思想的危機とは、ポストモダンの多元的世界における世界観と、イエスの教えを唯一の真理とし、救いに至る道はイエス以外にないとするキリスト教信仰との対立。文化的危機とは、世俗権力からの挑戦。つまり、中国やヒンドゥー国家であるインド、イスラム国家から成るアラブ諸国などからの脅威である。そしてリーダーシップの危機とは、次世代を担う新しい指導者の不在を意味する。
バーゼル氏は、福音主義運動をこれまで導いてきたビリー・グラハムやジョン・ストットに代わる、次世代の新しい指導者についての議論が不可欠であると指摘した。
最後にバーゼル氏は、「これまでの大会から学ぶべき重要なことは、その時代に即した主要課題を的確に、そして効果的に選定すること」「今大会においても時代に即した主要課題の選定が重要である」と強調した。
次回ローザンヌ会議は、2010年10月16〜25日、南アフリカのケープタウンで開かれる。