羊飼いたちが・・・羊の群れを見守っていた。すると、主の使いが彼らのところに来て、・・・言った。「・・・きょうダビデの町で、あなたがたのために、救い主がお生まれになりました。この方こそ主キリストです。」(ルカ2:8〜11)
イエスが・・・お生まれになったとき、見よ、東方の博士たちが・・・出かけた。・・・星が彼らを先導し、ついに幼子のおられる所まで進んで行き、その上にとどまった。・・・その家に入って、母マリヤとともにおられる幼子を見、ひれ伏して拝んだ。そして、宝の箱をあけて、黄金、乳香、没薬を贈り物としてささげた。(マタイ2:1~11)
皆さん、クリスマスとは何の日のことですか?「Christ(キリスト)」「mas(礼拝・祭り)」。そう、イエス・キリストの誕生をお祝いし、礼拝するのがクリスマス。神の御子であるイエス様が、人となってこの地上に現れてくださったことは、人類の歴史の中で起こった最大の奇跡と言っていいほど、素晴らしい出来事でした。そして、2千年の間、クリスマスの喜びは廃れることなく、全世界に広がって祝われています。
聖書には、初めてイエス・キリストと出会った人々として、2つのグループの人々が描かれています。羊飼いと、博士です。彼らはキリストと出会い、喜びに満たされました。しかしこの2つのグループ、それぞれイエス様と出会い、喜び、礼拝しているのですが、その出会いの方法がずいぶん異なっています。
1. 一方的に選ばれた羊飼いたち
その当時、羊飼いとは、いわば、貧しさの極み、身分の最も低い人々でした。まともに住む所もない、文字の読み書きもできないような彼らが、突然、天からの光に照らされました。「今日、あなたがたの救い主がお生まれになった」と。聖書には、彼らがどれほどの信仰を持っていたのかを記していません。貧しく、無価値とも言えるような人々を、神様は一方的に選んでくださり、世界で最初の救い主の誕生の知らせを届けてくださいました。神様は、弱くて足りない、欠陥だらけの私たちを選んでくださり、愛してくださり、関わってくださるお方であることを感謝します。
2. 救い主に近づいた博士たち
東方の博士たちは、救い主を探して旅に出ました。その当時、違う民族の土地に入るとき、命の保証はありませんでした。それでも彼らは、救い主に近づこうと、命懸けの旅に出たのです。そして、不思議なことが折り重なり、とうとう彼らは救い主と出会います。それはいわば、私たちの信仰の歩みと似ています。
神様を求めて私たちが神様に近づこうとするとき、神様の方から私たちを引き寄せてくださり、私たちは救い主と出会い、救われるのです。私たちは心の中で神様と出会いたい、神様に救ってほしいと求める思いがありながらも、何日も何年も時間を費やしてしまうことがあるかもしれません。しかし、神様を信じて求めるとき、必ず救い主と出会うことができます。神様の導きが豊かに働いて引き寄せてくださったとき、神様に救われるのです。
最後に、エペソ人への手紙のお言葉を読みましょう。「あなたがたは、恵みのゆえに、信仰によって救われたのです。それは、自分自身から出たことではなく、神からの賜物です」(エペソ2:8)。このお言葉はまさに、イエス様の誕生の物語のことが語られています。救いを生み出したのは、私たちではありません。救いは神様からの一方的な恵みであり、神様からの偉大な贈り物であるキリストの命が、この地に与えられました。私たちが信仰を働かせてキリストへと近づいていくとき、義と認められ、私たちは救われるのです。この救いの恵みを、自分のものとして受け止めていきましょう。
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