外務省や各国大使館、国際協力機構(JICA)なども出展し、「国際協力の日」(10月6日)に合わせて毎年開催されている国内最大級の国際協力イベント「グローバルフェスタ・ジャパン2008」が4、5日の2日間、東京都千代田区の日比谷公園で開催された。イベントには、日本国際飢餓対策機構(JIFH)や、チャイルド・ファンド・ジャパンなどキリスト教主義のNGO団体も多数参加。各国で展開する活動の内容を紹介したり、支援国の人々が制作した品物の販売などを行った。
同イベントの来場者数は1日で約2万人で、今年は200以上の団体が参加した。キリスト教主義に立つNGO団体としては、日本国際飢餓対策機構(JIFH)、チャイルド・ファンド・ジャパン、日本キリスト教海外医療協力会(JOCS)、アジアキリスト教教育基金(ACEF)、グッドネーバーズ・ジャパンなどが参加した。
バングラディッシュに小規模の小学校・初等教育機関として「寺子屋」を作ろうと90年から活動を続けているACEFは、現地の職業訓練施設で女性たちが作った「ノクシカンダ」と呼ばれる刺繍入りの小物を販売。今年2回目の参加となったJIFHは、世界的な問題となっている飢餓の現状を伝える展示を行うほか、その裏側にある日本など先進国に見られる浪費の実態を伝えた。同スタッフは、「若い人が興味を持ってくれます」「一般の方々にも隣人を愛していくことを伝えていければ」と語った。
また今年初めての出展となったグッドネーバーズは、バングラディッシュやカンボジア、ネパール、ケニア、エチオピアなどで支援活動を行っており、今回は特にバングラディッシュとカンボジアでの活動について紹介。現地の職業訓練施設で学んだ女性たちが作ったしおりなどの小物を販売した。
一方、支援者と支援対象者の一対一のつながりを大切にするスポンサーシップ・プログラムを用いて、貧しい国々の子どもたちが健全に成長できるように支援を行っているチャイルド・ファンド・ジャパンは、支援活動を行っているフィリピンとスリランカについての活動報告のほかに、スタッフの経験談によるミニ講演「私が一番輝いた時」や、現地でも実際に行っているマイクロ・クレジットを学ぶワークショップを開催した。
マイクロ・クレジットは、貧困層を対象に小額の融資を無担保・低金利で行うもので、この仕組みを始めたバングラディッシュのグラミン銀行総裁であるムハマド・ユヌス氏は、その活動が認められて06年にノーベル平和賞を受賞した。チャイルド・ファンド・ジャパンでは、子どもたちの健全な成長を支援することを目的に活動しているが、その基盤となる家庭、地域の健全化のために支援地でこのマイクロ・クレジットの研修を行っている。
マイクロ・クレジットの研修は従来、帳簿の付け方や会計書類の作り方などの会計研修のほか、実際に品物を作る技術研修が中心であったが、チャイルド・ファンド・ジャパンの研修では、ビジネスを行う上での心構えやノウハウなども学ぶ。当日行われたワークショップは、割り振られた所持金を、材料費、生活費、貯蓄と3つにわけて行う簡単なゲーム形式のものであるが、材料の購入で交渉術が求められたり、災害や盗難にあって所持金を失ってしまう出来事があったりと、日本とは違った現地の実情を反映したものとなっている。
参加者からも、「現地の状況が反映されていて学ばされた」「小さな金額だったがよかった」などの感想があったほか、「(マイクロ・クレジットでは)貸し倒れはないのですか」と関心深そうに質問する人もいた。