米テネシー州ナッシュビル(人口約69万人)で、住民一人一人の名前を挙げて祈る1カ月間にわたるイベント「ナッシュビルの覚醒」(1月27日~2月24日、英語)が開催された。ナッシュビル市内や近郊の約400教会から、約4万人のクリスチャンが参加。参加者一人一人には、主に電話帳からリストアップされた住民15人の名前と住所が書かれたリストが手渡され、期間中その人々の名前を挙げて祈るとともに、祝福の言葉を書いたはがきを送るなどした。
イベントを企画したのは、ナッシュビルにあるエートス教会の創設者であり、弟子訓練と教会開拓に取り組む「オンワード・チャーチ・プランティング」の指導者でもあるデイブ・クレイトン牧師。6日には、第一バプテスト・オーランド教会(フロリダ州)で行われた「劇的増加カンファランス」で講演し、このイベントについて語った。
クレイトン氏は10年前、数人の友人と協力してエートス教会を開拓した。教会は設立後の5年間で急成長し、さらに幾つかの教会を開拓して拡大した。教会開拓としては大きな成功を収めたといえるが、神の求めはその後も止まらなかったという。
「主は言われました。『デイブ、あなたの召しは単に人々を集めることではない。人々を教え、変えることだ。そしてナッシュビルだけでなく、この国と他の国々に人々を遣わすことだ』と」
クレイトン氏は、この神の求めに狂ったように従う道を歩んだ。親しい友人でなければ、本当に狂ってしまったと考えるほどだったという。そして生まれたのが、この町を挙げての大規模な祈りの取り組みだった。
一部の教会からは、それぞれの教会は「競合関係にある」と反対する声も寄せられた。しかしクレイトン氏は、自分は「ただ(神の御心に)従っているだけだ」と答え、最終的にはナッシュビル市内や近郊の約400教会が協力を申し出た。
「4万人の人々が、30日間連続で町のすべての人のために祈り、断食しました」とクレイトン氏。イベントには、あらゆる教団教派の人たちが、肌の色や年齢の違いを越えて参加し、対応可能な言語は約100言語に及んだという。イベントは、地元の有力紙「テネシアン」(英語)にも取り上げられた。
クレイトン氏は講演で、神が探し求めているのは「戦略のある人」や「スキルのある人」ではなく、「神に自身を明け渡す人」だと語った。
「成長への道は、戦略やスキル、話術やシステムではありません。成長への道は、神に自身を明け渡すという下り道なのです」
「自教会の活性化を願うなら、私たち主任牧師は、自分が目立たなくなることに真剣に取り組まなければなりません」
「劇的増加カンファランス」は4日~7日の4日間にわたって開かれ、さまざまな講師が講演した。5日には、ベストセラー本『クレイジーラブ』の著者として知られる中国系米国人のフランシス・チャン牧師が登壇し、牧師にとって重要なのは、教会の頭が自分ではなくイエス・キリストであることを常に覚えていることだと強調した。