ある盲人が、道ばたにすわり、物ごいをしていた。・・・ナザレのイエスがお通りになるのだ、と知らせると、彼は大声で、「ダビデの子のイエスさま。私をあわれんでください」と言った。・・・イエスは立ち止まって、・・・「わたしに何をしてほしいのか」と尋ねられると、彼は、「主よ。目が見えるようになることです」と言った。イエスが彼に、「見えるようになれ。あなたの信仰があなたを直したのです」と言われると、彼はたちどころに目が見えるようになり、神をあがめながらイエスについて行った。これを見て民はみな神を賛美した。(ルカ18:35~43)
今日は、一人の盲人が、イエスによって癒やされた箇所です。これに続く19章では、取税人ザアカイが救われた物語が出てきますが、この盲人とザアカイは、共に、主に出会ったその時に救われています。信仰者としての経験は1日にも満たなかった彼らに、主はその信仰に答えて偉大な御業をなしてくださいました。
どんなに弱い者の祈りであっても、信仰を持ってイエスに近づくときには、主が答えてくださることを信じましょう。この盲人が語った3つの言葉から、信仰の基本中の基本を学びたいと思います。
1. 信仰のスイッチを入れよう
イエスが近づいてくると聞いた彼は、叫び始めました。「ダビデの子のイエスさま。私をあわれんでください」。彼が心のスイッチを入れ、救い主であるイエスに向けて自分の心を表明したのです。
私たちは毎日、仕事や、お金や、人間関係や家族のことに対して、いろんなスイッチを入れて対処します。しかし、主イエスに対する信仰のスイッチを入れ忘れていないか注意しましょう。この盲人は、盲人として生きていくためのいろんなスイッチを持っていたでしょう。でも彼は本当の幸せを手にするために、イエスに会いたいという信仰のスイッチを入れたのです。
私たちは病気になったときに、どんな心のスイッチを入れますか? 薬や医者や医療のことに関するスイッチを入れる前に、癒やし主イエスに向けて信仰のスイッチを入れる者になりたいと思います。
2. イエスに焦点を合わせ集中しよう
うるさく叫びたてるこの男を、人々は黙らせようとしましたが、彼はますます叫びたてたのです。イエスにこの声を聞いていただき、イエスから憐れみを、癒やしを受けたい、と彼はますますイエスに集中し、イエスだけに信仰を絞り込んでいったのでした。
私たちも、どうしても手にしたいものがあるとき、周囲からは、反対や、諦めさせようとする力が働くかもしれませんが、それで諦めたら終わりです。それでもどうしてもという思いを持ち続ける人だけがそれを手にします。
理屈や自分が立派になるという前に、イエスを求めるということにおいては、一心不乱にイエスに集中し、絞り込み、焦点を合わせていくことが大切です。人々に関係なく、彼はますますイエスに集中し、信仰を絞り込んでいきました。私たちにも、イエスだけという真剣な集中が与えられますように。
3. 本当に必要なものを描いて求めよう
イエスの近くに連れて来られ、「わたしに何をしてほしいのか」とイエスに尋ねられた彼は、何のちゅうちょもなくはっきりと言いました。「主よ。目が見えるようになることです」。イエスに集中した後、主は必ず求めているものを聞かれますから、自分の一番必要としているものを明確に把握していることが必要です。
この盲人は、目が見えるようになることが、人生を根本から変えると知っていて、一番求めるべきものをはっきりとイエスに求めました。本当に必要なものを何のちゅうちょもなくイエスに求めましょう。あなたの病が癒やされるとき、後の人生がどう変えられ、主の喜びで満たされた、どのような人生が始まるかを心に描きながら求めていきましょう。
そんな恵みを引き出す信仰をあなたも働かせることができますように、主を求めて祈ってまいりましょう。
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