東京基督教大学(TCU、千葉県印西市)は、4月から山口陽一教授が第8期学長に就任したのに伴い、新たに「副学長」を設置した。初代副学長には、大和昌平神学部長とランドル・ショート教授が就任した。また、昨年まで山口氏が務めていた大学院神学研究科委員長には、伊藤明生教授が就任した。TCUが2日、公式サイトで発表した。
TCUは昨年10月、米国出張中の小林高徳(たかのり)前学長が、心筋梗塞で倒れ急逝。昨年中は大和氏が、今年に入ってからは山口氏が学長代行を務めていた。山口氏の学長就任は、小林氏が急逝する前に決まっており、今年1月に正式に発表された。
副学長に就任した大和、ショートの両氏は、「教育・学生支援担当」「グローバル担当」とそれぞれ担当分野が決まっている。TCUは副学長を新設したことで「多様な背景を持つ学生に対しそれぞれに相応しい成長をサポートする体制を強化するとともに、グローバルな分野では海外の神学教育機関や関係団体との連携を密にすることと学内の留学生の支援強化に取り組む」としている。
山口氏ら新体制の下、TCUが定めた新しいコンセプトは「Stand in the Gap 破れ口にキリストの平和を」。山口氏は学長あいさつで「神と人の、人と人の、あらゆる破れ口に立ってくださるキリストにあって『破れ口にキリストの平和をもたらす人』を育てたい。私たちはそう願っています」と述べている。
各氏の略歴は次の通り。
山口陽一(学長):1958年群馬県生まれ。金沢大学、東京基督神学校、立教大学大学院(修士)。85〜90年日本同盟基督教団徳丸町キリスト教会牧師、93〜2003年日本基督教教団吾妻教会牧師。11年からTCU教授(日本キリスト教史、実践神学)。12〜17年教会教職課程責任者、大学院神学研究科委員長。05年~17年日本同盟基督教団市川福音キリスト教会牧師、この間、同教団理事などを歴任。
大和昌平(教育・学生支援担当副学長):1955年大阪市生れ。関西大学法学部、東京基督神学校、佛教大学、同大大学院仏教学研究科(文学修士)。84〜2009年福音交友会京都聖書教会牧師、09年〜福音交友会派遣教師としてTCUに奉職し、現在同教授(東洋思想、実践神学)。2014年~神学部長。著書に『牧師の読み解く般若心経』『追憶と名言によるキリスト教入門』など。
ランドル・ショート(グローバル担当副学長):1970年米アラバマ州生まれ。アラバマ大学(在学中に1年間千葉大学に留学)、東京基督神学校、ハーバード大学神学大学院(M.T.S., Th.D.)。2006年〜TCU神学部、12年~同大学院で教鞭を執り、現在同教授(旧約聖書)。08年〜アジア神学コースコーディネーター、13年~教務部長補佐、15年~グローバルプログラムディレクター。著書に『The Surprising Election and Confirmation of King David』、訳書に『Philosophical Interpretations of the Old Testament』(関根清三著)。