公民権運動の指導者マーティン・ルーサー・キング牧師が「私には夢がある」と語った名演説から45年目の記念日を迎えた28日、黒人初の米大統領当選を目指す民主党候補のバラク・オバマ上院議員が指名受諾演説を行った。オバマ氏は、人種差別撤廃に取り組んだキング牧師の功績を称えつつ、人種や党派による壁を超えて米国が一つになることを訴えた。
25日から行われていた米民主党大会最終日。デンバーのフットボールスタジアムに集まった8万人を上回る支持者を前にオバマ氏は、「(失政は)8年間で十分だ」とブッシュ政権を批判。8年ぶりの政権奪回に向けた党内の結束を呼びかけた。
「観念的で政策の詳細がわからない」との批判もあったオバマ氏。だが、「アメリカの約束」と題した今回の講演では、全勤労世帯の95%を対象とした減税や、10年以内に中東諸国への石油依存を解消することなどの具体的な経済政策を表明した。
共同通信によると、党大会2日目の26日から最終日の28日にかけて実施されたギャラップ世論調査で、オバマ氏の支持率が49%と、共和党のマケイン上院議員を8ポイント上回った。調査の大半はオバマ氏の演説前に行われたことから、オバマ氏のリードはさらに広がると見られている。