インド東部のオリッサ州で、ヒンドゥー教徒とキリスト教徒間の衝突が発生し、3日間で死者11人が出るまでに対立が激化している。これを受けて州当局は27日、夜間禁止命令を発動。治安部隊に対しては、違反者を見つけ次第射殺するよう厳戒な命令をした。AP通信が伝えた。
双方の衝突は25日、ヒンドゥー教の指導者1人が殺害され、ヒンドゥー教強硬派がキリスト教の児童養護施設に放火するなどして激化した。この衝突でこれまでにキリスト教徒の女性1人が死亡したほか、キリスト教聖職者も重傷を負うなどし、27日までに11人が死亡した。
ローマ教皇ベネディクト16世は27日行った水曜一般謁見でこの衝突について触れ、この攻撃が毛沢東主義の反抗勢力によるものだと非難したが、世界ヒンドゥー機構(WHO)の幹部であるスバッシュ・チャウハン氏は、キリスト教過激派に責任があると主張している。
25日にヒンドゥー教の指導者が1人殺害され、同日夜には同州のムカンドゥパー村近くで4人が殺害。26日には、バラクハマ村付近で発生した敵銃撃戦で4人が死亡、同日夜には再びムカンドゥパー村付近で暴徒によって灯油を浴びせられた1人が焼死。27日には放火された家の中に閉じ込められた1人が死亡した。
同州の上級役員であるサチャブラタ・サフー氏は殺害された10人に関してヒンドゥー教徒であるかキリスト教徒であるかは明らかにしていない。
バチカン放送局は、教皇が、あらゆる生命の尊重と対話の実践によって相互理解とお互いの尊重に到るように努力することの必要性を説き、いかなる暴力行為をも直ちに停止するよう力強く呼びかけたと伝えている。