【CJC=東京】ベルリンの繁華街クアフュルステンダム通りにあるカイザー・ヴィルヘルム記念教会は、1943年のベルリン大空襲で破壊された。戦争の悲惨さを伝えるために、高さ68メートルの鐘楼などが崩れたままの姿で保存され、「虫歯」とあだ名を付けられるまでになった。同じ敷地内に62年、現代様式の新会堂も完成した。
しかし保存部分は破損が進み、2年間にわたる調査で、鐘楼の石造外壁に割れ目が見つかり、内壁も損壊が進み、構造的にもゆがみが出ていることが分かった。
緊急補修のため募金が開始され、昨年暮以来45万ユーロ(約7400万円)が集まった。募金運動を担当するカイゼルウエッテル社のカスリン・ドスト報道担当は、総額330万ユーロが必要と8月5日、一層の支援を訴えた。AP通信が報じた。
ドスト氏は、工事は数カ月前に始まる計画だったものが、今だに始まっていないと言う。ベルリン市の助成も実現していない。教会側は、冬場に水が割れ目に入って凍ると損害が悪化するかもしれない、と専門家が懸念している、と言う。