キリストは、私たちのために、ご自分のいのちをお捨てになりました。それによって私たちに愛がわかったのです。ですから私たちは、兄弟のために、いのちを捨てるべきです。(第一ヨハネ3章16節)
夏真っ盛りとなり、連日35度を超える日々が続いています。暑さの中にも、目を転じれば私たちの周りには様々な恵みが溢れていますから、8月も恵まれ強められて前進していきましょう。
日本の平均寿命が発表されて、男性は79.19歳で世界第3位、女性は85.99歳で23年連続世界第1位でした。現在でも世界には、貧困や劣悪な生活環境のために平均寿命40歳などという国々もあるのです。その中で日本は世界一の長寿国。人間の命は限りあるもので、人間の力では容易に伸ばすことができませんから、昔から長寿は幸せの一番の要素のように考えられてきました。その意味では、私たちは、世界でもっとも幸せな国民のはずです。
しかし、必ずしもそうは言えない現実があります。生きることが辛く死を望む多くの人々や、生きているか死んでいるかわからないような人々もいるのです。幸せになるための工夫や楽しみ、素晴らしいものが周りにどれほどあっても、それで私たちが必ず幸せになれるとは言えません。
20世紀は不確実性の時代と言われましたが、21世紀になっても不安定で、個人も会社も学校も、トップクラスの政治家や世界の優秀な頭脳をもってしても、さらにわからないことだらけの世界になってきているようです。
そういう時代だからこそ、はっきりわかることを意識して幸せをつかみ取りましょう。
今日の聖書の箇所で「私たちには、愛がわかった。」とはっきりと語っています。難しい学問や、修行や悟りによらず、クリスチャンには愛がわかるのです。クリスチャンの信仰生活は、そこからスタートできることを心から感謝したいと思います。
愛がなければ、どのような知識も、素晴らしい経験も、力や信仰、どれほど素晴らしいものに満ち溢れていても、人生全てが虚しくなります。愛が私たちの人生を輝かせ、喜びや生きがい、いのちを感じさせます。
私たちには愛がわかりました。なぜそう宣言することができるのでしょうか。
1.神の行動する愛が事実となったから
愛は単なる理屈や感情ではありません。愛は行動するものです。
神のひとり子であるイエス・キリストが私たちのために命を捨て、私たちにその命をお与え下さった。これが神の愛です。本当の愛は、神が私たちに対して行動して下さったときに現わされたのであり、それを、自分自身のためだったと素直に受け止めるときに、愛がわかるのです。
神の行動する愛を、イエスが十字架の上で命を捨てられた2千年前の時点で終わらせるのではなく、今日、この礼拝に集う私たちが、心の中にキリストを迎え入れることです。あなたは神に愛されたから命を与えられ、救われ導かれているのです。私たちに向かって行動して下さる神の愛をしっかりと受け止めようではありませんか。
2.行動する愛で人々を愛していく
愛がわかった私たちは、今度は私たちが行動する愛で、人々を愛していくことができます。なぜなら、もうすでにキリストの愛に満たされて今までの古い自分とは違い、人々を愛する生き方を始めさせて頂いているからです。
イエスを信じ救われる前は、他人のために本気で祈ることはなかったでしょう。手紙の最後に「ご健康をお祈りします。」などと書いたとしても、それは形式的なものでした。しかし今は、他の人々のために、時には恨んでいるような人のためにさえ祈ることができる者とされているのです。
私たちの愛は行動するときにわかり、事実となるのです。完全さや見栄えのよさではなく、あなたの愛が、ちゃんと働き、機能しているかということです。
「私たちは、私たちに対する神の愛を知り、また信じています。神は愛です。愛のうちにいる者は神のうちにおり、神もその人のうちにおられます。」(Iヨハネ4:16)これはキリスト教会の中で2千年間語り続けられた有名なお言葉です。でも有名だからといって決してそれを薄っぺらい決まり文句で終わらせてはいけません。有名であるということは、それだけ重要なのです。
愛を働かせて前進したいと思います。わからないことだらけの世の中で、私たちクリスチャンにはわかっているものがある。私たちには愛がわかっています。
万代栄嗣(まんだい・えいじ)
松山福音センターの牧師として、全国各地、そして海外へと飛び回る多忙な毎日。そのなかでも宗教を超えた各種講演を積極的に行っている。国内では松山を中心に、福岡、鹿児島、東京、神戸、広島、高松にて主任牧師として活動中。キリスト教界のなかでも、新進気鋭の牧師・伝道者として、注目の的。各種講演会では、牧師としての人間観、ノイローゼのカウンセリングの経験、留学体験などを土台に、真に満足できる生き方の秘訣について、大胆に語り続けている。講演内容も、自己啓発、生きがい論、目標設定、人間関係など多岐にわたる。
また、自らがリーダー、そしてボーカルを務める『がんばるばんど』の活動を通し、人生に対する前向きで積極的な姿勢を歌によって伝え続け、幅広い年齢層に支持されている。
国外では、インド、東南アジア、ブラジル等を中心に伝道活動や、神学校の教師として活躍している。