過激派組織「イスラム国」(IS)が「首都」としていたシリア北部の都市ラッカが17日、解放された。ロイター通信(英語)などが、在英の反体制派NGO「シリア人権監視団」(SOHR)の情報として伝えた。
クルド人の民兵部隊を主体とする反体制派の「シリア民主軍」(SDF)がラッカを制圧した。SDFは米軍主導の有志連合による支援を受け、6月からラッカ市内で制圧のための本格的な作戦を行っていた。ISの最大拠点であったイラク北部の都市モスルも7月に解放されており、ISはこれで2大拠点を両方とも失ったことになる。
ラッカは2013年3月にシリアの反体制派が制圧。しかしその後、ISが14年初めに占拠し、「首都」としていた。ISに殺害された日本人ジャーナリストの後藤健二さんは同年10月、先に拘束されていた湯川遥菜(はるな)さんを救出するためラッカに向かい、拘束されたとみられている。
英インデペンデント(英語)がSOHRの情報として伝えたところによると、ラッカ市内で制圧作戦が始まってからの5カ月間に、一般人1130人を含む3250人が亡くなった。