17世紀バロックを中心としたその前後の時代の教会音楽を演奏するアンサンブル「Affetti mvsicali(アフェッティ・ムジカーリ)」の第4回演奏会が18日(水)午後7時から、日本福音ルーテル東京教会で開催される。ヨハン・セバスチャン・バッハ(1685~1750)の葬送音楽をメーンとしたプログラムで、ドイツ・バロックの宗教音楽に込められたイエス・キリストの愛をその美しい響きによって伝える。
今回演奏されるバッハの葬送音楽は、モテット「イエス、わが喜びよ」BWV. 227と、カンタータ「神の時こそ こよなき時」BWV. 106の2曲。そして、中部ドイツで活躍したヨーハン・バッヘルベルらの、普段はあまり耳にする機会が少ない18世紀前半の歌曲とオルガン小曲も演奏される。
ライプツィッヒ時代に作られた、モテット「イエス、わが喜びよ」は、イエスへの信頼を歌うコラールの歌詞と新約聖書「ローマ人への手紙」の言葉が交互に歌われる。また、カンタータ「神の時こそ こよなき時」は、20歳を過ぎた頃から家族の死に向き合ってきたバッハが、聖書の言葉をテキストにして「死」の問題に真正面から向き合い作った作品だ。
指揮を務める藤原一弘氏は、大学1年の授業でこの2曲に出会い、教会へ導かれたという。バッハの教会音楽のドイツ語歌詞を翻訳したことで知られるキリスト教学者・杉山好(よしむ)氏(1928~2011)に師事し、現在、青山学院大学、北海道大学、洗足学園音楽大学で非常勤講師としてバッハ以前の音楽とオルガン音楽について講義している。今回の演奏会に当たり、藤原氏は、自身が若い時に音楽によって信仰に導かれたように、神の言葉を伝える器としてアフェッティ・ムジカーリが用いられることを願っていると話した。
アフェッティ・ムジカーリというアンサンブル名は、「音楽に込められた諸々の情念」、あるいは「音楽で表現されるさまざまな感情」を意味し、歌詞に込められた深い思いの数々が演奏を通じて聴き手へと届くようにとの願いから、初期バロックのバイオリンの名手 Biagio Manini が1617年に出版した曲集のタイトルから命名したという。歌詞に込められた思いを大切にし、統一の取れたアンサンブルを保ちながら、各パートが自発的に音楽を表現できる、伸びやかな古楽の演奏を目指している。
日時:1月18日(水)午後7時(午後6時半開場)
場所:日本ルーテル東京教会(新宿区大久保1−14−14)
費用:前売り3500円、当日4千円、学生2千円(全席自由)
予約・問い合わせ:[email protected](アフェッティ・ムジカーリ事務局)
チケット取り扱い:東京古典楽器センター(電話:03・3952.5515)