【CJC=東京】米テキサス州エルドラドで、児童虐待や性的暴行などの容疑で捜査対象となっている『末日聖徒イエス・キリスト教会原理派』(FLDS)の信徒らが立てこもっていた農場を捜索、内部に居住していた生後6カ月の乳児から17歳の400人以上全員について隔離・保護に踏み切ったテキサス州当局に対し、同州控訴裁判所は5月22日、州の措置を違法とする判断を下した。
控訴裁は「子どもたちが差し迫った危険にさらされているとはいえず、全員隔離という極端な措置は正当化されない」と指摘、保護を認める決定を下した下級裁に対し、10日以内に決定を破棄するよう命じたもの。州側はこの決定を不服として23日、州最高裁に上告した。
州児童保護局は4月、思春期の少女に性行為を強要するなどの性的虐待が行われていたとして州内のFLDSの教団施設を捜索。施設内で暮らしていたすべての未成年者を用意した場所に“保護”した。
当局は「思春期を迎えた少女は中年男性との性交渉を強要されていた」などと発表したものの、捜査の契機となったFLDS内部からの情報提供者は現在も特定されていない。また教団からも「宗教弾圧だ」と強い抗議が起きていた。
FLDSは末日聖徒イエス・キリスト教会から分派し、指導者には昨年、未成年者に結婚を強要した暴行共謀罪で禁固10年から終身の不定期刑が言い渡されている。