プロのゴスペル・アーティスト3人が講師となるワークショップに参加し、その参加費がスリランカの内戦被災地の職業訓練(裁縫)センター設営のために使われ、国際協力もできるという新しいスタイルのゴスペル・イベント「チャリティー・ゴスペル・マラソン2008(CGM2008)」が17日、東京都渋谷区のSYDセンターで行われた。
昨年10月に設立された「NGOゴスペル広場」(ナナ・ジェントル代表)が初めて開催するイベントで、ゴスペル好きはもちろん、ゴスペルに挑戦したい、ゴスペルは初めてという人など、約200人が参加。イベント約4カ月前からの事前クラスに参加した80人は、舞台でゴスペル・アーティストらと共演し、迫力の歌声を披露した。
「とっても楽しかった。いつもゴスペルを歌っているけど、いつもとは違った楽しさがあった」。5時間のスケジュールで参加者はゴスペルを聞くだけではなく、その半分以上を共に歌う。総合司会・ナレーションを務めた元フジテレビアナウンサーの政井マヤさんは、「まさに、ゴスペル・マラソン」と紹介。支援先のスリランカの女性たちが作った手作りのTシャツを着て、参加者全員で「ゴスペル×国際協力」という新しいスタイルのイベントを成功させた。
イベントは「NGOゴスペル広場」とスリランカ支援のために活動する国際協力団体「NGO TECHJAPAN」(カクチ・スベンドリニ代表)の主催で行われ、当日は、内戦や津波の被害が残るスリランカの様子も紹介された。また、スリランカでのホームステイ経験者がイベントを知り、ホームステイ時の写真や文章を送ってくれ、人間味豊かなスリランカの人々の生活が紹介された。
今回ワークショップの講師を務めたアーティストは、ナナ・ジェントル、Bee 芦原、Bro. Taisukeの3人。それぞれ、全国で初めて公立高校でゴスペル授業を実現させた、大阪で150人以上の生徒を持つカリスマ・ゴスペル講師、本場米国の黒人教会でゴスペルクワイアの指導、指揮を行ったなど、経験豊かな講師が、ゴスペルとの出会なども語りつつ、個性あるワークショップを展開した。
目標としていた支援額80万円も達成され、内戦の舞台でもあり、多くの津波被害が出たスリランカ北部トンコマリーの女性たちに、職業訓練施設として裁縫センターを丸ごと一つプレゼントすることができた。
「最初は200人集まるかどうか、また200人で歌えるちょうどよい会場を探せるかどうか不安でしたが、言うことなしの楽しいイベントになりました」とナナさん。次回の開催は予定していないというが、要望があれば開催したいという。
一方、主催したNGOゴスペル広場は、6月から新しく、十代からシニアまで誰でも気軽に通えるゴスペルスタジオとして「GOSPEL SQUARE」を渋谷でオープンする。こちらも参加費の一部がラオスへの奨学金などに用いられる「ゴスペル×国際協力」というスタイルで、気軽に始められる入門コースから本格コースまで、様々なプログラムが用意されている。詳しくは、ホームページ(http://www.gospel-sq.com)まで。