元祖便利屋の右近勝吉さんを主人公のモデルにした映画「ふうけもん」の撮影が3月31日、東京都武蔵野市の日本基督教団東美教会で行われた。人気映画シリーズ「釣りバカ日誌」の栗山富夫監督のもと、この日はチンピラだった主人公が牧師の「オンリー・ビリーブ」という言葉に出会う礼拝のシーンを撮影。エキストラとして、本物のクリスチャン約40人が参加した。
「ふうけもん」の原作は、元祖便利屋の右近勝吉さんの数奇な半生を描いた自伝『人のために人となる人』(サンマーク出版)。右近さんは少年時代にヤクザに憧れ、組のチンピラに。しかし、あるとき街で出会った外国人宣教師の輝く笑顔が忘れずに、平日はヤクザ稼業を続けながらも毎週日曜日は教会に通うようになる。そんなある日、牧師の「オンリー・ビリーブ」という言葉と出会い、「人の為に生きていこう」と決意。それ以来、ドブさらいや庭の手入れなど、少し面倒な雑用の依頼から、孤独な老人や「引きこもり」の人の話し相手など、多様な依頼を引き受ける便利屋を始める。現在も便利屋の仕事を続けており、国内はもとより世界中を飛び回っている。
映画では、教訓的でも説教がましくもなく人間味豊かな笑いと涙で、愛に生きる一人の男の半生を描く。「人」に出会って始まる仕事、そこには様々なハプニング、葛藤、トラブルが生じる。滑稽なこと、涙ぐましいこともあれば、ときにハラハラする危うい仕事にも遭遇する。
また便利屋は家族株式会社という仕組み。パートタイマーの妻と娘、入れ替わりの多い見習いさん。その人情あふれる家族設定、そして「ふうけもん」の人間味豊かな姿は、国民的映画「男はつらいよ」の主人公「寅さん」を連想させる。
映画は今年3月にクランクイン。北海道では主人公役の中村雅俊さん、特別出演の哀川翔さんも加わり、雪原でのシーンなどを撮影した。撮影は現在都内で行われており、4月23日まで続く。
映画「ふうけもん」公式ホームページ:http://www.fukemon-movie.jp