人文、社会科学系の名門出版社として知られる創文社(本社:東京都千代田区)が、2020(平成32)年をめどに本社ビルを売却し、会社を解散する予定であることが、19日までに分かった。
創文社は1951年創業。学術出版社として、哲学、歴史、東洋学、宗教などの人文学の専門書のほか、社会科学の書籍も多数出版している。トマス・アクィナスの『神学大全』、全100巻以上の『ハイデッガー全集』など、キリスト教研究の重要な書籍の刊行物も非常に多い。
同社編集責任者への電話取材によると、出版不況の中、人文書籍やキリスト教書籍の売れ行きが激減し、同社では10年前に比べて売り上げが約3分の1程度に減少しており、今後の継続的な存続が難しくなったことから、今回の判断に至ったという。
現在進行中の新刊書籍の出版は2017年3月まで継続する。その後は、既刊の出版物の販売に限定し、2020年をめどに会社を解散する。現在刊行している季刊PR誌『創文』は、2016年秋号をもって最終号とする予定だという。