【CJC=東京】米宣教専門ANS通信は、メキシコの村落部で、伝統的に行われている「村の教会」から抜けてプロテスタントに改宗した人に、元に戻るか、村から出ていくかという圧力が加えられている、と報じた。「村の教会」は在来宗教と導入されたカトリックが混交して形成された独特のキリスト教。
南東部チアパス州マリアノ・マタモロスでは、村の祭りに加わらなかったことを理由に、プロテスタントの村民100人以上が村から出て行け、と圧力を加えられている。信仰抑圧監視団体「ワールド・ウォッチ・モニター」(WWM)の関係者によると、同地で2009年、幼児1人を墓地に埋葬しようとした際に、「伝統カトリック教会」から離脱したとして埋葬を拒否され、隣町まで遺体を運ばなければならなかったという事件が起こった。それ以来、抗争が激化している。
「カトリック」以外の家族への圧力は頻発している。上下水道は遮断され、財産を不法に没収されるほか、肉体的な暴力も行われ、医者にもかかれないなど、普通の生活を送れなくなっている。村当局は、プロテスタントと売買した人には罰金5千ペソ(約3万円)を科すとしている。
事態を憂慮したチアパスの福音教会協議会は4月18日、関係住民、村当局、州政府との会談開催を呼び掛けた。同様の抗争は、メキシコの村落部で急速に拡大している。