【CJC=東京】イスラエル北部タボル山の南東に位置する古代遺跡テル・レヘシュ(紀元前3000年ごろ〜同1000年ごろ)で鉄器時代の城門や青銅器時代の神殿とみられる遺構が見つかり、天理大、立教大などでつくる発掘調査団(団長=置田雅昭天理大教授)が3月13日、概要を発表した。
イスラエル考古局から2006年2月に発掘ライセンスを取得、約450平方メートルを発掘していた。
鉄器時代初頭(紀元前11世紀)とみられる城門跡は遺跡の北東部にあり、二重構造の城壁(厚さ約1・2メートル)の約8メートル分と、見張り台の遺構が出土した。この時代に城壁を伴う大規模な都市は珍しく、イスラエル王国成立期に建造された可能性が高いという。
中央部では祭祀(さいし)に使われたとみられる後期青銅器時代(紀元前13世紀ごろ)の玄武岩製の石槽(長さ約1・2メートル、幅40センチ)も出土した。カナーン文化の影響下で建てられた神殿跡と推測される。
またナツメヤシの模様が刻まれたつぼの取っ手の破片(長さ約15センチ、幅約7センチ)が見つかっている。
テル・レヘシュ遺跡は古代エジプト文書や旧約聖書ヨシュア記に記された都市「アナハラト」だった可能性が高いとされる。