診療報酬の不正受給問題で、「タレント女医」としてテレビのバラエティー番組にも出演していた「Ricoクリニック」(閉院)院長の医師、脇坂英理子容疑者(37)ら4人が9日、詐欺容疑で逮捕された。国内メディアが一斉に伝えた。
朝日新聞や毎日新聞によると、逮捕されたのは脇坂容疑者と、歯科医師の重松武容疑者(58)、既に詐欺罪で起訴されているコンサルタント会社役員の早川和男被告(39)ら4人。脇坂容疑者は他の3人と共謀し、自身が院長を務めていたRicoクリニックで、一度受診した患者の健康保険証を使って、何度も受診したように装い、診療報酬約155万円を不正受給していた疑いがある。
日刊スポーツ紙によると、脇坂容疑者が院長を務めていたRicoクリニックは、2012年6月に千葉県船橋市で開院し、その後東京都目黒区に移転。Ricoクリニックのホームページによると、昨年5月末で閉院している。
ホームページ上には閉院の理由は書かれていないが、産経新聞は治療契約をめぐるトラブルなどが原因と伝えており、朝日新聞は捜査関係者の話として、脇坂容疑者の個人的な遊興費による借金のため経営が苦しくなっていたと伝えている。脇坂容疑者は、テレビのバラエティー番組に「タレント女医」として出演し、年収は5000万円ある一方、貯金はゼロで一晩に900万円を使うこともあるなどと話していた。
一連の診療報酬不正受給問題では、指定暴力団「住吉会」系組長の三戸慶太郎被告(50)や、接骨院、歯科医院の関係者ら20人以上が逮捕・起訴されている。不正受給総額は数億円規模とみられ、一部が暴力団にも流れていたとみられ、警察が捜査している。