全国47都道府県で調剤薬局を展開する日本調剤株式会社(本社:東京都千代田区丸の内、代表取締役社長:三津原 博)は、昨年に引き続き、自主企画調査『2016花粉症の実態と対策』調査を実施しました。
本調査は、これまでに花粉症と自覚・診断されたことがある花粉症経験者・全国の20歳~70歳以上の男女1,053人を対象に、2016年1月14日~15日の期間にインターネット調査で実施し、その結果をまとめました。
※花粉症は、スギやヒノキなどの植物の花粉(抗原)が原因となって起こるアレルギー疾患の一つです。
■調査結果のポイント■
日本気象協会の発表によると、2016年春のスギ花粉の飛散開始は、西日本と東日本で例年より早く、北日本は例年並みとなる見込み。花粉の飛散量は例年に比べると、ほとんどの地域で少なめですが、東北地方はやや多くなると予測されます。そこで、本格的な春の花粉症シーズンに先駆け、全国の花粉症経験者1,053人に花粉症の実態と対策を聞いた結果、以下のことがわかりました。
1.花粉によるアレルギー症状の原因となる植物の花粉は一年中飛散している。そこで、花粉症経験者に一番花粉症の症状がひどい季節を聞いた結果、圧倒的に春(3月~5月)が多く、9割以上(90.4%)の人が春に花粉症を発症している。
2.花粉症の症状トップ5は、1位「鼻水・鼻づまり」(87.1%)、2位「目のかゆみ」(81.9%)、3位「くしゃみ・咳」(56.4%)、4位「鼻のかゆみ」(40.5%)、5位「目の充血・涙目」(34.8%)。
3.花粉症の治療には6割近い人が病院に行く(「必ず行く」22.3%+「行く場合もある」36.2%)。女性70代以上は最も病院に行く割合が高く72.1%。一方、男性30代の5割以上は病院に「行かない」。
4.『病院に行かない』人の行かない理由は、「我慢できる程度だから」(49.9%)、「市販薬で十分だと思うから」(29.2%)、「面倒だから」(25.5%)。男性30代の最も多い理由は、「面倒だから」(44.4%)。
5.花粉症治療で病院に行った場合、1回の診察費や治療薬費は「1,000~2,000円程度」が最も多く42.5%、次いで「2,000~3,000円程度」27.6%。
6.治療薬を使用するタイミングは、「花粉症がひどい時だけ使用する」人が最も多く29.0%、次いで「花粉症が発症してから使用する」(28.4%)となり、6割近い人が治療薬は症状が出てから使用している。
7.現在使用している治療薬に対する満足度は、「やや満足している」(39.7%)、「満足している」(12.3%)で、満足感を得ている人は約5割。
8.花粉症の治療薬で影響が出た場合、6割以上の人は医師や薬剤師に“相談する”(「必ず相談する」25.7%+「相談することもある」37.4%)。性年代別で、 最も“相談する”割合が高いのは女性30代(75.3%)。一方、男性40代は「まったく相談しない」(25.8%)割合が最も高い。
9.治療薬以外に行っている花粉症対策トップ2は、1位「マスクをする」(68.5%)、2位「うがい・手洗いをする」(48.3%)の基本的な対策が圧倒的に多い。
【調査概要】
調査方法 :インターネット調査
調査地域 :全国
調査対象者 :花粉症と自覚・診断されたことがある花粉症経験者
20歳~70歳以上の男女1,053人
サンプル構成 :全体1,053 男性526 女性527
20~29歳(全体176 男性87 女性89)
30~39歳(全体173 男性88 女性85)
40~49歳(全体177 男性89 女性88)
50~59歳(全体177 男性88 女性89)
60~69歳(全体178 男性88 女性90)
70歳以上(全体172 男性86 女性86)
調査期間 :2016年1月14日(木)~1月15日(金)
調査手法 :株式会社インテージに委託して、インターネット調査で実施
※グラフのパーセンテージは四捨五入されているため合計値が100にならないものもございます。
■薬剤師からのアドバイス~知っておいて役立つ花粉症の豆知識~■
◆花粉症のメカニズム
花粉症は、アレルギー性疾患の一つで、「季節性アレルギー性鼻炎」「季節性アレルギー性結膜炎」などの総称です。花粉症の原因となる花粉はスギ・ヒノキ・ブタクサ・ヨモギ・セイタカアキノキリンソウなど、一年を通してさまざまありますが、特に春先になると、スギ花粉による花粉症の症状の方が多くなります。
そのメカニズムは、まず口や鼻・目に花粉が入ると、体がそれを「異物」と判断します。その異物から体を守ろうとして起こるのが花粉症の症状です。花粉が体に入るのを感じてくしゃみで体の外に出す、鼻水で洗い流す、鼻づまりを起こすなどで、花粉を体の中に入りにくくする人の体の作用です。
主な症状のいくつかは、かぜや他の病気の症状と重なるものがあり、鼻水やくしゃみが出るので花粉症初期には「あれ?かぜひいたのかな?でもなんか違う…」と戸惑う方もいます。自分ではわかりにくいものなので、思い当たる症状があれば、早めに医師の診察を受けることをおすすめします。
◆花粉症の薬~早めに服用した方が良い薬も!
花粉症とわかったら、まず「マスク」「うがい・手洗い」などで、できるだけ花粉を吸い込まないよう心掛けましょう。また、お酒やタバコを控える、食事や運動に気を配るなどして日頃の生活習慣を改善し、体の免疫力を高めることも大切といわれています。
また、花粉症の症状を抑えるためにさまざまな形の治療薬があります。医師や薬剤師に相談して、自分の症状に合った薬を選びましょう。症状が出始めてからすぐに服用することで重症化を防ぐことができる薬もあります。日常生活の質を保つためにも、専門家に相談して早めの対処をおすすめします。
◆気軽に薬局に相談してみましょう
症状が出てきたら、早めに医療機関を受診した方が症状の改善につながります。しかし、自覚症状が軽い、あるいは忙しくて病院に行くことが難しいという方は、身近にある薬局で相談することをおすすめします。
薬局には病院に行かなくても買うことができる市販薬もあります。市販薬を使いたい場合は、薬局の薬剤師に相談してみてください。
「たかが花粉症の薬」と、自己判断で薬を使用することは危険な場合があります。たとえば、他の病気で飲んでいる薬と市販薬を同時期に使用する場合や、体質や、過去にかかったことのある病気によっては、薬を選ぶ際には注意しないといけないことがあります。そのため、専門家である薬剤師に相談することをおすすめします。
また、薬局では薬だけでなく、マスク等の花粉症ケアの商品もあります。薬局を賢く活用して花粉症対策を行い、快適な日常生活を送ることができるようにしましょう。(監修:日本調剤教育情報部)
【日本調剤株式会社について】 http://www.nicho.co.jp/
1980(昭和55)年の創業以来、一貫して国の健康保険制度を支える調剤薬局のあるべき機能・役割を全うすべく「医薬分業」を追求し、調剤薬局展開を積極的に行っている。現在では、全都道府県に調剤薬局を展開し約2,500名の薬剤師を有する、日本を代表する調剤薬局企業として評価を得ており、さらに超高齢社会に必要とされる良質な医療サービスを提供する“調剤薬局の新しい姿”を追い求めて、取り組んでいる。