岩手県宮古市のJR山田線・平津戸〜松草駅間で11日午後7時過ぎ、走行中の列車が線路上に崩れてきた土砂に乗り上げ、脱線した。NHKが警察の情報として伝えたところによると、列車には乗員乗客24人が乗っており、少なくとも9人が負傷、うち1人が病院に運ばれた。
乗客の一人はツイッターに、「山田線下り、松草手前で倒木と衝突脱線。衝突時かなりの衝撃で多くの人が吹き飛ばされ、土砂崩れも発生。大変危険な状態」などとコメントし、大きく傾いた車両の写真を投稿した。このツイートでは、列車は倒木と衝突して脱線し、その後土砂崩れが発生となっているが、報道では「線路上に崩れていた土砂に乗り上げて、車体が傾き、停止しました」(NHK)などと伝えられている。
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JR山田線(赤線)と土砂崩れがあった場所(×印)(図:Lincun)
NHKによると、土砂に乗り上げたのは、午後6時10分宮古発盛岡行きの1両編成の普通列車。現場に近い宮古市区界高原では、午後1時40分までの3時間に、12月としては観測史上最も多い26・5ミリの雨が降っていたという。
JR東日本によると、この影響で山田線は12日、上米内~宮古駅間の上下線で終日運転を見合わせ、盛岡~上米内駅間の上下線で一部列車を運休する。
山田線は、岩手県内の盛岡駅(盛岡市)と釜石駅(釜石市)を結ぶ路線で、2011年の東日本大震災後、三陸海岸沿いの宮古〜釜石駅間は現在不通となっている。