【ワルシャワ=ENI・CJC】ロシア正教会アレクシー二世総主教が、人権と道徳の間の分離が激化していることが欧州の文化的なアイデンティティを脅かしていると主張したことに、欧州評議会(CE)のガブリエラ・バッタイニ=ドラゴーニ教育・文化・遺産部長が反論している。
同部長は17日、ロシアのインターファクス通信に対して、「欧州評議会の意見では、人権と道徳のギャップは全く欧州大陸に存在していない」と語った。「私たちは文化の出典としての宗教と、人権の発展の基礎としての文化の間の論理的連携を認める。総主教がなぜこの点に疑問を持つのか、本当に不思議だ」と言う。
この指摘は、アレクシー二世総主教がストラスブールで開かれた欧州評議会で今月2日発言したことに対してコメントしたもの。総主教は、欧州諸国が「伝統的な倫理原則」を守ることに失敗したので「歴史における自身の地位」を失う危険を冒したと語った。
モスクワで開催された宗教間の対話の会議で、バッタイニ=ドラゴーニ氏が、欧州評議会に加盟する47ヶ国は、「欧州の文明を脅かす人権と道徳の間の分裂」を欧州が示している、という総主教発言に疑問を抱いている、と述べたもの。人権が主に「私たちの文化を豊かにすること」における宗教の役割のおかげで展開したと信じていると語った。