大ヒット映画『パッション』(原題:Passion of the Christ、04年)で有名なメル・ギブソン監督がキリスト教超教派のウェブサイト「Beliefnet」のアンケートで、ハリウッドで最も影響力のあるクリスチャンに選ばれた。
カトリック信徒であるギブソン監督は、同ウェブサイトが行ったアンケートによって、「その業界の行方を左右するほどの影響力を持つ一方、信仰を保ちつつ、且つその信仰を自らの作品に注ぎ込んでいる」とされる「ハリウッドで最も影響力のあるクリスチャン12」のトップに選ばれた。
当時の様子を忠実に再現するためにヘブル語やアラム語、ラテン語を用い、キリストの受難、磔刑を緻密に描写している『パッション』や、またマヤ文明末期の部族間の争いを描いたギブソン監督の最新作『アポカリプト』(原題:Apocalypto、06年)がキリスト教に関連する一種の寓意物語として受け入れられるなどしたため、今回の結果となったようだ。
一方、クリスチャンとしてのギブソン監督に対する評判には様々な声が挙げられている。昨年7月にカルフォルニア州ロサンゼルス近郊で、飲酒運転と速度超過によって逮捕され、さらにそのとき警察官に向かって反ユダヤ的な人種差別発言をし、批判を浴びている。『パッション』製作時にユダヤ団体から強烈な抗議を受けていたためにそのような発言が出てしまったのではないかとの声もあるが、逮捕後に「とても恥ずかしく思う」と公式に謝罪をするなどしている。
「ハリウッドで最も力のあるクリスチャン12」に選ばれた人は、1位メル・ギブソン、2位デンゼル・ワシントン、3位パトリシア・ヒートン、4位タイラー・ペリー、5位ラルフ・ウィンター、6位アンジェラ・バセット、7位マーティン・シーン、8位マーサ・ウィリアムソン、9位クリスティン・チェノウェス、10位フィリップ・アンシュッツ、11位ハワード・カザンジャン、12位スコット・デリックソン。