柔和な声と朗らかな笑顔。舞台の上で歌う、燃えるような情熱的な声とは少し異なる印象を受ける。そんな Emi Shirasaya さんを知ったのは、彼女が通う教会の集会「ライフハウスカンファレンス」だ。世界中から約1000人が東京・六本木の会場に集まり、賛美し、共に地域教会の発展を祈り、各々が実践している方法を学び合う。そこで堂々と情熱的に賛美をリードする姿が印象的だった。
幼い頃から歌の才能を自覚していたという Emi Shirasaya さん。1995年からプロのシンガーソングライターとして活動。NHKの歌番組「みんなのうた」でも、自身の曲がオンエアされたことがある。CDも一般の店頭に並んでおり、カラオケ店で Emi Shirasaya さんの曲を歌うこともできる。
「当時の写真(CDジャケット)を見ると今とは別人みたいでしょ」と笑う彼女がクリスチャンになったのは2002年。「最初はなかなか信じなかった」と当時を振り返る。
幼い頃からなにか大きな存在があることを信じていたという。それは、地元の霊峰で祈祷していたご先祖様なのかと思っていたそうだ。しかし、曲を書いているとき、自分の中からではなく、誰かからもらっているという感覚があり、「もしかして神様なの?」と漠然と思い始めるようになった。だが、なかなか神を心に信じるまでには至らなかったという。奇跡としか思えないことがあっても、「私は強いから神様に助けてもらわなくても大丈夫」と思い続けた。
しかし、尊敬するジャズシンガーの自分はクリスチャンだという告白を聞いたことで、「こんなに尊敬できる人が神様を信じてるんだ」と思った瞬間、安心していいんだと感じるようになったという。
他にも事務所を独立したばかりのとき、クリスチャンの友人に仕事のことを祈ってもらってすぐに大きな仕事が舞い込んだり、いろいろな困難があったときに、「イエスの名によって祈ると解決するよ」とアドバイスをもらい、内心「そんなバカな」と思いつつ試してみると、見事に解決。「今思えば神様からの『こんな思いをさせなきゃ信じないんだな?これでどうだ』って感じのメッセージだったんじゃないかと思います」と信じるようになった経緯を語った。
そんな彼女が神を信じるようになってから受けたチャレンジは、「自分のスタイルを砕くこと」だという。「私はロックが嫌いだった」と語る Emi Shirasaya さん。教会の賛美で歌うことになり、祈った結果、「神様に従おう」という気持ちを強く持ち続けたという。音楽のスタイルについては「今はこだわりはないです。神様から来たものを他の人に流すだけだから、何が出てくるか自分でも分かりません。音楽を売ることが目的の人はスタイルを決めますが、自分はそういうものを決めてかからないことにしてます」と笑って語る。
現在のビジョンについて、「神様が言ったことだけをやりたい」と語る Emi Shirasaya さん。病院でのコンサートを行ったとき、友人から「一生病院から出られない人もいるんだよね」という言葉を聞き、「この人たちはどうやって神様のことを知るの?」と思い立った。今は、音楽を聞きに来てもらうのではなく、届ける活動をしている。病院でコンサートを行うほか、ウェブサイトで配信も行っている。
今月24日には、世界の貧困・飢餓問題の解決に取り組むNGO、日本国際飢餓対策機構のチャリティライブに出演する予定(参考:HUNGER ZERO チャリティーライブ with Emi Shirasaya)。「私はすごく食べることが大好き。食べ物を無駄にすることが嫌い。日本に生まれて食べることが大好きな私が、世界の飢餓のために何かできないかと考えてます」と意気込みを語ってくれた。
■ Emi Shirasaya 「TSUBASA つばさ」