「主に感謝せよ。主はまことにいつくしみ深い。その恵みはとこしえまで」(詩篇107、118、136章)
「・・・この命令を受けた看守は、ふたりを奥の牢に入れ、足に足かせを掛けた。真夜中ごろ、パウロとシラスが神に祈りつつ賛美の歌を歌っていると、ほかの囚人たちも聞き入っていた。ところが突然、大地震が起こって、獄舎の土台が揺れ動き、たちまちとびらが全部あいて、みなの鎖が解けてしまった。・・・看守はあかりを取り、駆け込んで来て、・・・『先生がた。救われるためには、何をしなければなりませんか。』と言った。・・・」(使徒の働き16章19~34節)
2015年、主の力強い恵みと祝福が注がれますように祈ります。新年礼拝ではいつもその年のテーマとなる言葉を発表させていただいていますが、この年、神が私の心に示して下さったのは、Thankful(サンクフル)!「いつも感謝」です。私たちを取り巻く状況は、私たちの思い通りにはいかないこともあります。しかし、確実に幸せを掴むためには、まず世相やご時勢に関係なく、自分の身近なところから平安や喜びをいただける鍵を手にしなくてはなりません。たとえ試練の中でも、共におられる神の恵みと祝福へと流れを転換することのできる秘訣を学びましょう。
この使徒の働きの箇所の主人公は、使徒パウロとシラスです。伝道旅行の最中、イエス・キリストを知らない人ばかりの時代にピリピに行ったときのこと。悪霊の力で占いをしていた奴隷の少女から悪霊を追放したために、商売のネタを取り上げられた主人からパウロとシラスは訴えられてしまいます。むちで打たれたあげく牢屋に入れられ、明日には公開処刑にされるかもしれないという状況です。その中から、神は彼らを助け出し、さらにイエスの福音を宣べ伝えるチャンスを与えられました。とんでもないピンチが祝福へと変えられた大どんでん返しの物語です。
1. どんな場面でも感謝
どんなに一生懸命生きても困難や試練に陥ることは認めておきましょう。パウロとシラスは、人々の無理解、誤解から、むち打たれ牢に入れられ命も風前の灯火。彼らは体中が痛みで苦しみ、殺されるかもしれないという中で、真夜中ごろ讃美をしていました。讃美と切り離せないのは感謝です。そして、神への感謝は讃美という形を取るのです。この一年、たとえ苦しい事態に陥っても、神への感謝を忘れずいつも讃美することができるようにしましょう。
2. 奇跡さえ起こす神の御手を動かし得る
感謝し讃美するとき、神に限りなく近づくことができ、神とのつながりをイエスによって回復するのです。それを忘れ、いつの間にか神が遠くなって分からなくなっていないでしょうか。神を感謝し讃美するとき、神と共にあることを思い起こすことができます。そして、神と共にある私たちには、神の御業を力強く引き寄せることができるのです。クリスチャンは、神に感謝する祈りで、この世の常識を超える神の不思議な方法で最悪の状況を最善へと回復することができるのです。そのような、神の御手の業を生み出すことのできる感謝があります。
3. 悪い流れを良い流れに変える感謝
パウロたちを見張っていた看守が、彼らの讃美を聞き、大地震が起こって牢の扉が開き、手枷足枷がはずれたにもかかわらず誰も逃げ出していないのを見たとき、電撃的なショックを受け、彼らの信じている神が本物であることを認めました。そして、看守とその家族みんながクリスチャンになったのです。さらに、助けられたパウロとシラスはますます力強く福音を語ったのです。悪い流れを一変させ、恵みの流れへと、流れの質さえ変えさせた神への感謝があります。心に刻みつけたいのは、いつもThankful!
最悪の状況さえ祝福の日々へと変えられることを、この一年、体験して前進しましょう。
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万代栄嗣(まんだい・えいじ)
松山福音センターの牧師として、全国各地、そして海外へと飛び回る多忙な毎日。そのなかでも宗教を超えた各種講演を積極的に行っている。国内では松山を中心に、福岡、鹿児島、東京、神戸、広島、高松にて主任牧師として活動中。キリスト教界のなかでも、新進気鋭の牧師・伝道者として、注目の的。各種講演会では、牧師としての人間観、ノイローゼのカウンセリングの経験、留学体験などを土台に、真に満足できる生き方の秘訣について、大胆に語り続けている。講演内容も、自己啓発、生きがい論、目標設定、人間関係など多岐にわたる。
また、自らがリーダー、そしてボーカルを務める『がんばるばんど』の活動を通し、人生に対する前向きで積極的な姿勢を歌によって伝え続け、幅広い年齢層に支持されている。
国外では、インド、東南アジア、ブラジル等を中心に伝道活動や、神学校の教師として活躍している。