53時間と18分間にわたり説教を行い、ギネス世界記録に「世界一長いスピーチ」として記録を申請したのは、クロス・チャーチ(米フロリダ州マウントドラ)のザック・ゼンダー牧師。ビックラント・マハジャン氏(インド、カシミール)によるこれまでの記録、48時間31分を更新した。
ゼンダー牧師の父、祖父、曽祖父は、ともにルーテル教会の牧師を務め、同氏は4代目。今回はキリスト教慈善団体ハンド・イン・ハンドによる、中毒症状で苦しむ人たちの回復を助けるミニストリーの資金を調達するため、この説教マラソンなる挑戦を引き受けたのだという。
同団体の中毒回復プログラムでは、アルコールや麻薬、セックスなどに対して中毒症状を持つ人々の回復を助ける働きをしている。目標額10万ドル(約1100万円)を目指して始まったが、10日、1万ドルの小切手での献金があり、目標額を上回る10万2千ドルに到達した。
ハンド・イン・ハンドの代表であるデイブ・ダグラス氏は、「サポートしてくださった多くの方々の寛大さに感動している」と語った。
ゼンダー牧師の説教は、7日(金曜日)の午前7時から始まり、9日(日曜日)の午前7時32分まで続いた。1時間ごとに5分間のみ休憩を取ることが許可された。
事前に語る内容を50のパートに区切り、メモを見たり、あらかじめ用意していたパワーポイントのプレゼンテーションを使用したりしながら、聖書の創世記から黙示録までを通して説教した。説教を行う間、看護師たちは彼が説教を続けても大丈夫か確認を行い、また適切な栄養管理もなされていたという。しかし、30秒間以上話さない時間があってはならないというルールがあったため、時には口に食べ物が入っている状態で語ることも余儀なくされた。
説教の終盤、ゼンダー牧師は明らかに疲れ果てた様子だったが、「私が今まで経験し、見てきたことを一つ言うならば、それは、神様があなたや私のことをとんでもなく求めておられるということです。たとえ私たちが失敗したときも、たとえ私たちが罪を犯したときも、です。私たちは皆そういう経験が誰しもありますけれども、神様は決して私たちを諦めたりすることはなさいません」と、自身の祖父による最後の説教からこう引用し、締めくくった。
ゼンダー牧師の申請は「ギネス世界記録」に受理されたが、審議され、正式な結果が出るまでは8週間ほどかかるという。