私が務める新宿福興教会は、2001年9月23日にJR中央総武線の大久保駅北口駅前のカラオケ喫茶「パラダイス」と、西新宿の「ストーク・マンションの一室」の二箇所でスタートしました。
それぞれの場所で20名くらいの人が集まり、順調なスタートでしたが、ストーク・マンションでの「第二チャペル」は、しばらくして閉鎖することになり、駅前の「パラダイス」の場所の「第一チャペル」も、約4カ月経った頃に、お店のママさんが、「教会にまた貸しした」と、大家さんからカラオケ喫茶のお店ごと追い出されることになり、二箇所とも教会の場所を失ってしまいました。
教会にとっても大きな試練であり、大きな転機でした。同時に、お店のママさんは、考えられないような大きな試練だったと思います。しかし慰めは、後日、ママさんがこの教会の場所を捜して訪ねて下さり、信仰を持って洗礼を受けられたことです。神様は生きておられます。
その後3カ月間、友人の牧会する大久保駅南口の駅前にある教会を夕方の時間だけお借りして、日曜日の礼拝を続けましたが、当時、その教会の場所が一杯になる程の人が集まっていることもあり、その教会の牧師さんがやりにくいと感じたのでしょう。「もうそろそろ新しい場所を探してもらえませんか!?」と言われました。それなりの賃料を支払っていましたが、また場所を失うことになり、大きな苦境に立たされました。集まった教会のメンバー全員で、「神様、新しい教会の場所を与えてください!」と必死にお祈りしました。
翌日、教会員の一人の女性が、月曜日に職場に行くと、その職場のFAX機のところに物件入居者募集の紙が置かれているので、「これは!?」と思ったのでしょう。すぐに私の方にその紙を転送してくれて、しばらく祈った後、大家さんに電話を入れました。大家さんは、「教会に物件を貸したい」という願いがあったので、話はすぐに折り合いました。
入居時には、敷金・礼金も何カ月分も支払う必要があり、その時、教会の会計の銀行口座には約100万円ありましたが、引越しセンターの支払いまで入れて、ちょうどぴったりでした。その時点で蓄えが0円になりましたので、不安もありましたが、これまでの道のりを導いて下さり、守って下さり、ちょうど必要な費用を与え続けて下さった神様は、これからも必ず助けて下さるに違いないと信じて、前進しました。前進以外の選択肢はなく、神様に押し出されて引越ししました。その時から時間貸しの場所から、24時間使える場所が与えられ、安定した伝道牧会の活動ができるようになりました。たくさんの素晴らしい方々が教会に集まりました。大きな喜びと励ましを感じました。
教会が当初から持っていた目標の一つは、「ゆりかごから墓場までの教会」。つまり、世代を超えて集まれる教会を目指してきました。現在、下は3歳、幼稚園性、小学生、中学生、高校生、予備校生、大学生、独身の男女、主婦、社会人の男女など80歳くらいまでの人がいます。13年の間に2人の方を天国に送りました。
実際、礼拝の時間に約80歳の年の差があるということは簡単なことではありません。子どもたちは礼拝中騒ぎますし、真剣に説教を聞いている人には、子どもたちの声は雑音です。賛美歌もいろいろな世代の人たちが歌えるように、リズムや曲や歌詞の工夫も必要です。いろいろな難しい問題もありますが、私が願い、神様から導かれた形ができあがっていることに感謝しています。
子ども、青年、大人と分けることは簡単ですし、分けた方がそれぞれ目的やスタイルを限定できるのでやりやすいです。しかし、世代を超えて一緒に時間を過ごすことも大切だと思います。教会創立13周年礼拝を記念日2日前の日曜日に終えて、改めて、世代を超えて共生・共存できる世界を作っていきたいと感じています。
ネットの世界でも、それが実現しています。ネットのお友達の中には、10代から80代の人までいます。こうして、文章や画像を通して心通わせながら情報交換や交流ができることを感謝しています。どうぞ、これからもよろしくお願いします。
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菅野直基(かんの・なおき)
1971年東京都生まれ。新宿福興教会牧師。子ども公園伝道、路傍伝道、ホームレス救済伝道、買売春レスキュー・ミッション等、地域に根ざした宣教活動や、海外や国内での巡回伝道、各種聖会での讃美リードや奏楽、日本の津々浦々での冠婚葬祭の司式等、幅広く奉仕している。日本民族総福音化運動協議会理事。
■ 外部リンク:
新宿福興教会ホームページ
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