マレーシアのマレー半島西部セランゴール州イスラム宗教局(JAIS)と、同州のイスラム宗教委員会(MAIS)は、今年1月にマレーシア聖書協会(BSM)から押収した聖書を返還しないと発表した。日本語のマレーシア情報サイト「マレーシア・ナビ」が17日、伝えた。
同サイトがMAISの話として伝えたところによると、セランゴール州政府は聖書の返還を指示していたが、MAISとJAISが協議を行い返還しないことを決めた。現在は、聖書の廃棄が可能かどうかの決定を待っている段階だという。
JAISは今年1月、イスラム教徒でないにも関わらず「アラー」という表記を使用しているとして、BSMを家宅捜索し、マレー語とイバン語の聖書300冊を押収した。
マレーシアでは過去にも、2009年には同国政府がマレー語聖書5千冊を押収、2011年には新約聖書と旧約聖書の詩篇、箴言の各書合わせて3万冊が同国政府により押収されている。