「ビル・ウィルソン東京大会2014」(同実行委員会およびメトロ・ワールド・チャイルド主催)が19日、東京・日本橋公会堂ホールで開催され、世界最大の教会学校メトロ・ワールド・チャイルドの創設者、ビル・ウィルソン氏が講演した。ウィルソン氏は、「今まで体験したことのないものを手にしたいのなら、今までしたことのないことをやってみて」と強調し、集まった参加者らに対し、「(日本のクリスチャン人口が)たった1パーセントしかいないこの状況は、あなたが今までと違うことをしなければ変わらない」と行動を呼びかけた。
12歳で母親に捨てられ、孤児に。教会の倉庫のような一室で苦学の末、牧師となった。1980年、スラム化し、劣悪な環境の中で育つ子どもたちを救おうと、米ニューヨーク市のブルックリンに単身で乗り込み、日曜学校を開始。集会はすぐさま数千人規模に拡大したが、逆境が次々と襲う。当時のブルックリン・ブッシュウィック地区は、全米でもっとも犯罪率の高い地区だった。強盗に襲われて片目を失明、時には口の中を銃で撃たれたことも。幾度も死を覚悟したが、それでも働きをやめなかった。
やがて地区の犯罪率が極端に減少したことがメディアで大きく取り上げられると、働きは東南アジア、東欧、アフリカをはじめ世界各地に拡大。今では毎週10万人以上の子どもたちを対象に日曜学校と家庭訪問を行い、里親支援制度やスタッフの育成プログラムを実施している。
講演でウィルソン氏は、「私がやったようなことは、ここにいるみなさんなら誰でもできる」と語り、「あとは、どれくらいあなたがそれをしたいのか。どれだけ本気で変化を生み出したいのかが重要」と強調した。「目の前に必要があって、あなたがその必要を満たすことができる。それこそ、神があなたを召しておられる現場」と決断を促した。
ウィルソン氏は、「この世界でもっとも惨めなのはクリスチャンかもしれない」と語った。「なすべきことを知っているはずなのに、でも本当にそれをする覚悟がない。自分がこうあるべきだと何回も教えられているのに、覚悟ができず、もやもやしたままの姿でいる」とし、「もしあなたが本当に変わりたいと願うなら、本気でつかみ取りましょう」と訴えた。
集会中、フィリピン・マニラのスラム街を映したビデオが上映された。骸骨が路上に転がっているような劣悪な環境の中に、今も多くの子どもたちが暮らしている。「この現実を目の当たりにしたとき、私の中で何かが沸き起こってくるのがわかった。この本気の思いが、私たちをはっきりした決断へ導く」と力を込めた。
最後にウィルソン氏は、ニコデモにイエスが語られた言葉「人は、新たに生まれなければ、神の国を見ることはできない」(ヨハネ3章4節)を引用し、「あなたに与えられている運命や導きがあるのに、それをごまかす人の言葉から抜け出す必要がある。本当の変化が生み出されなければならない」と訴えた。さらに、「確かにいったん出てきたら、戻ることはできない。私は死ぬまでこの働きをやり続けます」と殉教の覚悟を語った。
集会の最後には、ウィルソン氏の呼びかけに会場の多くの人々が応じ、キリストのために献身を決意する祈りをささげた。
ウィルソン氏は今後、23日には沖縄、24日には大阪、25日には京都で講演会を開催する(関連記事:世界最大級の教会学校創設者ビル・ウィルソン来日講演 沖縄、大阪、京都で追加開催決定)。