新型万能細胞「STAP細胞」について、共同研究者の1人である若山照彦山梨大学教授は10日、NHKのインタビューに応じ、「研究データに重大な問題が見つかり、STAP細胞が存在するのか確信がなくなった」と述べ、論文の取り下げに同意するよう、小保方晴子・理化学研究所研究ユニットリーダーら他の著者らに呼び掛けたことを明らかにした。
若山教授は論文の共著者の1人で、STAP細胞の万能性を調べる重要な実験を担当したという。若山教授はNHKとのインタビューの中で、「自分が担当した実験については正しいと信じているが、前提となるデータの信頼性に確信が持てなくなった。一体、何が起こったのか科学的に検証することが論文の著者としての責任だと考えている。何より私自身、真実が知りたい」などと話した。
若山教授によると、論文の発表前、研究チーム内ではSTAP細胞の証拠となる1つの遺伝子の変化について、変化があると報告されていたが、理化学研究所が先週発表した文書では、変化はなかったと変わっていたという。若山教授は、一度論文を取り下げ、外部の専門家に検証してもらう必要があるとしている。
一方、STAT細胞の論文で使用された画像の一部が、小保方氏が早稲田大学に提出した博士論文の画像と酷似しているとする新たな指摘がネット上で出ていると、共同通信が伝えている。博士論文は、小保方氏が同大学在学中の2011年に発行された。共同通信によると、理化学研究所側は「博士論文と画像が似ているとの指摘があることは把握している」という。