米キリスト教弁証家で哲学科教授のウィリアム・レーン・クレイグ博士は、教会が教会員に対し、信仰について他者に聞かれた際にしっかりと弁明できるよう整える緊急の必要があると指摘した。12日、米クリスチャンポスト(CP)が報じた。
世俗化や科学万能主義が進んだ現代社会にあって、教会員が社会で人々と交わる際にしっかりと信仰を弁証できるかどうかについては、米キリスト教界でも緊急の対策が必要であるとの認識が高まっている。特に現代米国社会では無神論者の発言力が高まっており、時には発言力の強い無神論者がクリスチャンの信仰に対する激しい攻撃をなしてくることもある。昨年の米調査機関ピュー・リサーチ・センターで行われた調査では、いかなる宗教にも所属しない米国人が増加していることが示された。
さらにサム・ハリス氏、リチャード・ドーキンス氏、ダニエル・デネット氏、クリストファー・ハッチェンス氏など影響力のある無神論者の発言によって米国内で無神論の動きが高まっていることがクレイグ博士によって言及された。
ピュー調査によると、回答率は10パーセントに満たなかったものの、回答者のうち20パーセント近くの米国人は宗教に関心がないことが示された。一方80パーセント程の米国人は何かしら宗教的あるいはスピリチュアルなことに関心を持っていることが示された。一方回答者のうち6パーセントもの人々が自身を不可知論者あるいは無神論者であると見なしていることが示された。
米神学校教授でもあるクレイグ氏は、クリスチャンはこのことに関心を示し、宗教に関心がない人々から信仰について聞かれた際によく準備しておく必要があるとし、「私たちはなぜ神の存在を信じており、さらにクリスチャンはなぜ神の栄光がナザレのイエスを通して示されていると信じているのか、よく説明できる必要があります。私たちがよく説明することができるなら、無神論者、不可知論者と自身を見なしている多くの人々の発言に打ち勝つことができるでしょう」と述べた。
クレイグ氏は自身の新著「合理的な反応-神・キリスト教・聖書に関する難問への回答」について、「同書はクリスチャンが自身の信仰を熱心に弁明し、信仰について聞いてくるいかなる人にも対応できる準備をするのに役立つ」と述べている。
クレイグ氏は「多くのクリスチャンは無神論者の発言が時にあまりに攻撃的になることに対して恐怖感を感じていると思います。無神論者はクリスチャンを個人的に攻撃してくることもあるでしょう。知的な議論を個人的に交わしたいと思う無神論者もいるでしょう。多くのクリスチャンはこのような試みに対し、準備ができていないと感じているのではないでしょうか。難しい質問に自身が答えられないと感じているのではないでしょうか。そしてそのような難しい質問が信仰のない個人的な友人などから個人的になされることもあるでしょう」と述べた。
同書においては「真実であることを知ること、信じること」、「生命の起源と意味」、「死後の世界と悪」、「クリスチャンの行いの諸問題」などについて実際になされた質問を元に回答を導き出している。
クレイグ氏のホームページはこちら(英語)