めんどりがひなを翼の下にかばうように
ルカの福音書13章31~35節
[1]序
主イエスに対するヘロデの態度と主イエスの答え、そしてエルサレムに対する主イエスの呼び掛けを味わいます。
[2]ヘロデに対して
(1)主イエスとパリサイ人との問答
ヘロデは、パリサイ人を通して、主イエスを自分の領土から追い出そうとしていると推察できます。
(2)ヘロデの主イエスに対する関係
9章7、9節。23章8、11節に繰り返し提示。
(3)主イエスの応答
32節、主イエスの恵みの御業、限られた期間、時の流れの秩序の中で。
イエスは言われた。「行って、あの狐にこう言いなさい。『よく見なさい。わたしは、きょうと、あすとは、悪霊どもを追い出し、病人をいやし、三日目に全うされます。』」
[3]エルサレムに対して
(1)主イエスの覚悟
33節、「だが、わたしは、きょうもあすも次の日も進んで行かなければなりません。なぜなら、預言者がエルサレム以外の所で死ぬことはありえないからです」。
(2)エルサレムに対する主イエスの嘆き.
34節、マタイ23章37~39節参照。「ああ、エルサレム、エルサレム。預言者たちを殺し、自分に遣わされた人たちを石で打つ者、わたしは、めんどりがひなを翼の下にかばうように、あなたの子らを幾たび集めようとしたことか。それなのに、あなたがたはそれを好まなかった。」
(3)エルサレムに対する警告
35節、「見なさい。あなたがたの家は荒れ果てたままに残される。わたしはあなたがたに言います。『祝福あれ。主の御名によって来られる方に』とあなたがたの言うときが来るまでは、あなたがたは決してわたしを見ることができません」。
[4]結び
エルサレムを目指す、主イエス。では私たちは、どこを目指すのか。
宮村武夫(みやむら・たけお)
1939年東京生まれ。日本クリスチャン・カレッジ、ゴードン神学院、ハーバード大学(新約聖書学)、上智大学神学部修了(組織神学)。現在、日本センド派遣会総主事。
主な著訳書に、編著『存在の喜び―もみの木の十年』真文舎、『申命記 新聖書講解シリーズ旧約4』、『コリント人への手紙 第一 新聖書注解 新約2』、『テサロニケ人への手紙 第一、二 新聖書注解 新約3』、『ガラテヤ人への手紙 新実用聖書注解』以上いのちのことば社、F・F・ブルース『ヘブル人への手紙』聖書図書刊行会、他。