米国のローマ・カトリック教会で最大とされるロサンゼルス大司教区が14日、同教区の司祭らが長年にわたって信者の子どもたちに対して性的虐待を繰り返してきたことを認め、示談金総額6億6000万ドル(約805億円)を支払うことで被害者らと合意し、和解に至った。時事通信が15日、伝えた。
同通信によれば、被害者の数は508人。米国ではカトリック教会での性的虐待問題が多数発覚し、すでにいくつかの和解が成立しているが、支払われる示談金の額としては今回が過去最高となる。被害者一人当たりに対する支払額は、約130万ドル(約1億6千万円)程度となる見込みであるが、どのように分配されるかはまだ決まっていない。
CNNによれば、同大司教区のロジャー・マホーニー司教は15日、被害者らに謝罪を表明。「(被害者の)純潔を取り戻すことはできない。わたしが被害者にしたくてもできないことは、原状の回復だ。(虐待は)起きるべきではなかったし、今後再発してはならない」と述べ、示談金によって被害者の傷が元通りに癒されるわけではないことを認め、再発防止に努めることを伝えた。
被害者側弁護団の関係者によると、示談の正式成立は現地時間の16日。当日は記者会見が予定されている。