世界の主要100カ国以上を対象に信教の自由の現状を調査した結果、歴史的、文化的にキリスト教を背景とする国家が、その他の宗教や非宗教の国家と比べて信教の自由を保障する水準(最高1、最低7)が高いことが11日、わかった。最高水準「1」はハンガリーで、アイルランド、エストニア、米国と続く。米ワシントンのシンクタンク「ハドソン・インスティテュート・信教の自由センター」が発表した。詳細は来年出版予定の『Religious Freedom in the World 2007』で報告する。(ChristianPost.com)
最低水準の「7」とそれに次ぐ「6」と評価された国は、宗教的背景を持たない国である中国、ベトナム、北朝鮮、イスラム教国のパキスタン、イラン、イラク、サウジアラビア、スーダン、トルクメニスタンだった。
同センター主任研究員のポール・マーシャル氏は会見で、「極端に宗教的であるか、極端に非宗教な国家が、宗教的制限の特に厳しい地域を占めていると言える」と述べた。
信教の自由と国家の宗教的背景に特定の相関関係は見つからないことがわかった。例えば、イスラム教色の強いアフリカのマリ、セネガルは、キリスト教色の強いドイツ、フランス、ギリシャ、ケニア、フィリピンよりも信教の自由が保護されている。
だが、マリとセネガルを除き、「1」〜「3」の水準のほとんど全てがキリスト教色の強い国家である一方、下位水準の国家の多くがイスラム教色の強い国家か、非宗教政府による仏教国であることがわかった。
信教の自由の水準と経済的自由と企業活動の水準との間に強い相関関係があることがわかった。信教の自由が厳しく制限されている国では、経済的自由にも比較的多くの制限が見られる傾向がある。
信教の自由の制限が増加、拡大、激化の傾向にあることも判明した。イスラム教過激派が信教の自由にとり大きな脅威となり、特にイラクは、昨年の一連の出来事を含め、フセイン政権以降世界で最も信教の自由が侵害されている国家と評されている。