フランスに本拠地をもつ超教派のキリスト教団体「テゼ」の黙想と祈りの集会が6日、カトリック麹町・聖イグナチオ教会(東京都千代田区)の主聖堂で行われた。聖書の朗読にあわせてささやくように歌われる静かで独特の賛美が、神との対話へと会衆を導いた。
テゼは、単純素朴さと親切な心という福音のもっとも大切な真実を日々生きる共同体(コミュニティ)を、との神の声に従い、ブラザー・ロジェが1949年に男子修道会を創立したことに始まる。可能な限り同じ生活状態を分かち合いながら、極貧の人々、ストリートチルドレン、囚人、死に行く人、愛の関係を失い捨てられた人々の間で「愛のしるし」をあらわす働きを続けてきた。
現在、約25の国々から集まったカトリック、プロテスタント諸派出身の約100人が、アジア、アフリカ、南アメリカで様々な教派に分かれてしまったキリスト教の和解の印として用いられている。
聖書からの短い歌詞を素朴で単純なメロディーに乗せ、繰り返し、繰り返し歌い続けるというテゼ独特の祈りのスタイルは、祈りと賛美と聖句が一つに響く空間をつくりだし、来る者に心の落ち着きと神聖なる神との一体感を与えている。