同映画の共同制作者でキリスト教弁証家、ニューヨークキングズカレッジ学長でもあるディネッシュ・ドゥソウザ氏はこの傾向に関して米CPの取材に対し「確かにクリスチャンがこの映画の内容に関して、彼らの信じるところを述べるのに変に身構えてしまっており、臆病になっているようなところが見られている気がします。この映画は多くのキリスト教保守派の関心を引き寄せるものであり、キリスト教メディア編集者やキリスト教指導者たちが、この映画の内容を伝えず、読者や聴衆にこの映画に関して知る機会を持たせないということはおかしなことのように思えます」と述べている。
米キリスト教ニュース誌「ワールド」では「2016」映画のレビューを掲載したものの、同映画のための広告枠は販売しないことに決定した。「ワールド」副発行人のウォレン・コール・スミス氏は「この映画に対する広告を受け付けないことにいたしました。しかしこの決断は映画の内容に私達が同意するとかしないとかの問題ではありません。この映画の広告掲載を拒否した理由は、私達の雑誌では過去26年間にわたって政治的な広告は一切受け付けていないことにあります。特に現在は米大統領選が間近になっており、この映画が直接のオバマ米大統領の選挙宣伝ではないとしても、それぞれの広告業者に弊誌の広告掲載方針への忠実さを示すために掲載をしないことにいたしました。この映画について私達の雑誌で示された見解を読者の皆さまには信用していただきたいと思いますし、私達がこの映画のレビューを掲載したのは、政治的な宣伝をしたかったわけではないということを明確にするためにも、広告の掲載は控えることにいたしました」と述べている。
一方同映画制作者側も、この映画がオバマ米大統領の選挙宣伝のためであると見なされないように「彼を愛するも憎むも、まずは彼を知ってから」という中立的な立場の広告用バナーさえもキリスト教メディア各社に政治的な内容のバナーであると見なされてしまっていることに疑問を抱いている。
ある米福音派の雑誌では、同映画の広告掲載を決めかねており、同映画のレビューに関する記事までも掲載しないことに決定したという。
実際同映画の興行収入は新聞編集者の注目を集める成功を収めており、同雑誌編集補佐役の一人は「キリスト教ニュースを報じる組織として、この映画の予期しない人気についてニュースストーリーを作っても良いのではないかとは思う」と述べている。
同誌映画部門編集者は米CPに対し「私達は通常高度に政治的な内容の報道は避けるようにしています。特に政治的な渦中にある問題については回避するようにしています。これまで弊誌ではいかなる政治家もひいきにすることはせず、それに類する報道もしてきませんでした。確かに数週間前この映画に関するレビューを回避する決断をした時に、この映画が一つの輝点を与える存在になりつつあることは感じていました」と述べている。
クリスチャンオンラインニュースサイトのASSITニュース・サービス主任編集者で創設者でもあるダン・ウッディング氏は米大統領選に関連するいかなるストーリーも報道しない方針であるという。
ウッディング氏は「私達は迫害されている教会、世界宣教および大衆文化がキリスト教徒にどのように影響しているかに関して報道する独特の召しを受けています。政治的な記事につきましては、他に多くの新聞社が取り扱われるでしょうから、私たちは迫害されている兄弟姉妹の必要を満たすための報道に特化したいと考えています」と述べている。