5月27日、キリスト品川教会(東京都品川区)で行われたペンテコステチャペルコンサートで、オルガニストの筒井淳子氏のパイプオルガンコンサートが行われた。会場となったチャペルには約200名の人々がコンサートに集った。
同教会牧師の吉村和雄氏はコンサート開催にあたって、ペンテコステ(聖霊降臨祭)について「今日はペンテコステという教会の誕生日です。教会というと普通は建物をさします。それは間違いではありませんが、実は教会は建物ではありません。私の母は20人くらいで一杯になるような小さい教会に通っており、近くに非常に立派な結婚式場として用いられる教会ができました。オルガンも教会も説教壇も母の教会よりずっと立派です。そこで母にわかりやすく説明しました。海の中にいるサンゴをご存知でしょう。見た目は美しいけれど、サンゴの本体はぐにゃぐにゃした虫です。教会も同じで、外側と中は別で、中でごちゃごちゃしているのが教会です。教会員がいない教会はあり得ません。そういう話をしました。教会は、中に人がいて、その人たちが教会を作っているのです。しかし、人が集まれば教会になるのかというと、決してそんなことではなく、やはり教会に集まった人をひとつの霊、見えない力が生かしています。その霊を『聖霊』と呼びますけれど、その聖霊によって生かされています。そこで教会が教会となると私たちは信じています」と説明した。
オルガンコンサートに先駆け吉村氏は、「毎年この時期にチャペルコンサートをしています。今回はオルガンの演奏です。礼拝用のオルガンを使って演奏するわけですが、礼拝ではこのオルガンの音色を全部使いません。礼拝では聞けない音が聞けるということで、教会員も楽しみにしています。初めて教会においでになった方が、礼拝堂にお座りになり『ここは空気が違いますね』と言われるときがあります。その空気の違いをひょっとしたら感じられるかもしれません。オルガンの演奏を通して、どういう空気を皆さんが感じていかれるでしょうか。新しいものを感じていただけたら嬉しいと思っております」と述べた。
品川教会オルガニストでもある筒井淳子氏の演奏では、J.S.バッハの「キリエ、聖霊なる神よ」の他普段の礼拝では演奏されない名曲ホルストの管弦楽組曲「惑星」より「火星―戦争をもたらす者」「金星―平和をもたらす者」そして「木星―歓楽をもたらす者」がパイプオルガンの多様な音色によって演奏された。
ホルスト管弦楽組曲をパイプオルガンで演奏するにあたって筒井氏は「今回オルガンでの演奏にあたって『火星』『木星』で使用されるホルンやチューバなど金管楽器の独特な表現を再現するため、トランペット・ロイヤルというストップ(音色)を多用しています。これは水平トランペット(管)の1種です。通常オルガンのパイプは直立していますが、このストップはパイプを一部または全体を横向きにし、直接客席に向けて発音することでの独特の華やかな効果を生むことができるものです。品川教会のオルガンの特徴のひとつでもあります。規模の大きいオーケストラのために書かれた曲を、オルガンで弾こうとする時、原曲のイメージをどうやって目の前の楽器で再現するのか、方法を探し試行錯誤するのは、本当に楽しい作業です」と解説している。
品川教会は教会としての役割の他、幼稚園や結婚式場の運営、音楽会など品川地域センターとしても地域社会の活性化に貢献する働きを行っている。主日礼拝は第一礼拝、第二礼拝と別れており、第一礼拝は子どもと大人が一緒に行うにぎやかな礼拝、第二礼拝は大人のみの落ち着いた礼拝形式となっている。第二礼拝後は愛餐会が行われ、教会の奉仕部が用意した食事による交わりの後、男性女性共に台所奉仕を行っている。
毎週水曜日午前10時から朝の聖書の会、午後7時から聖書の夕べを開催し、旧約・新約聖書を分かりやすく解説している。聖書の会、聖書の夕べは誰でも参加可能となっている。詳細はキリスト品川教会ホームページまで。