第44回再臨待望東京大会(キリスト再臨待望同志会主催)が26、27の両日、東京都杉並区のイエス・キリスト教団荻窪栄光教会で開かれた。ペンテコステを迎えた2日目午後の集会でワールド・ビジョン・ジャパン理事長の榊原寛氏は、「信仰においてのすべては主の再臨に帰結する」と再臨信仰の重要性を指摘した。そのうえで東日本大震災後にキリスト者のもつべき信仰の姿勢について、「主の再臨をもう一度受け止め直し、きょう主がおいでになるという備えの中で歩んでいくという緊張感に生きるのが、本当の意味でのキリスト者ではないか」と語り、再臨信仰の見直しを訴えた。2日目午後の集会には、教派を超えて教職信徒ら約60人が参加した。
講演で榊原氏は、再臨信仰の問題点として、主の再臨が切迫していることを強調しすぎるあまり、教会が過度に熱狂的な状態に陥る危険性が原始教会の時代からあったことを指摘した。榊原氏は、パウロがテサロニケの信徒に対して極力落ち着いた生活をし、自分の仕事に励むよう勧めていること(テサロニケ一4・11~12)を強調し、「クリスチャンは、いままさに自分が主から託された一日一日の仕事に集中して熱心に生きることの中で、主の再臨を待ち望む生き方が(聖書から)勧められている」と説いた。
主の再臨の日について榊原氏は、突然のうちに確実に到来する(テサロニケ一5・2~3)と説き、信仰と愛を胸当てとして着け、救いの希望を兜としてかぶること(同5・8)が「いま主が求めている、主とお会いする者の姿」だと語った。
信仰と愛の胸当てについて榊原氏は、胸当てが相手に対して身につけるもので、相手に向かうものだと説いた。榊原氏は、信仰と愛の胸当ては、第一に神、第二に人に向かうもので、神に向かうとは、周りの環境に左右されずに神を信頼すること、神の御心に焦点を合わせて生きることで、人に向かうとは、周囲の人々に寄り添い、絆を深め合うことだと説いた。また、救いの希望を兜としてかぶるとは、自分の言動を司る最も重要な司令塔の中心に神がいるかどうかだと説いた。
榊原氏は、「全存在を守ってくださるお方は平和の神ご自身」(テサロニケ一5・23)だと説き、主の再臨を待ち望むキリスト者の信仰生活は、自分の努力やがんばりではなく、「(神に)お委ねできるかどうかが問題」だと強調した。