24日の同協議会の世界宣教および福音伝道委員会の準備委員会で行われた講演で、革新的な福音伝道、抑圧する勢力から切り離された宣教、全人類を尊敬し、謙虚さをもって接する道について考察がなされた。
24日は、「いのちの水―愛の真実を語るということ」というテーマで開催された他、他にも多様なテーマにおける分科会が開かれ、世界各国から200名以上のキリスト教指導者らが参加した。
カナダ長老教会からフィリピンでの発表会に参加したロナルド・ウァラス氏は「福音伝道はしばしばイエス・キリストご自身がなされた方法とは異なる方法でなされています。良い知らせを運ぶのではなく、帝国主義や貧困者の抑圧、弱い者を富んでいる者や強い者が抑圧する方法で『悪い知らせ』がキリスト教として運ばれるということがしばしば見られてきました。伝道のための福音と社会正義のための福音は分離して考えられるべきものではなく、ちょうどコインの表裏のような関係であると思います」と述べた。
福音伝道における正義と平和に関して、および諸教会がいかに福音伝道の使命をより良く達成していくかについて、世界福音同盟(WEA)の米アラバマ州バーミンガムから代表として発表を行ったロザリー・ヴェロッソ・イーウェル博士は「今日の変化する世界において、私たちは獣の胃袋から福音伝道を呼び掛けている状態であるとも言えるでしょう。このような福音伝道は、あらゆる神学的、聖書的見解に富んだものでなければなりません。福音伝道はそれ自体が純粋にすべてを包括するものであり、福音伝道や説教と正義を分離させたり、礼拝と平和活動を分離させたりできるものではありません。ナザレ人イエスの名においてすべてのことが完璧に達成されるのです」と述べた。分科会では福音伝道、他宗教からの改宗、宗教の自由、および変化する時代背景における世界諸教会の証について発表がなされた。
WCCで宣教と福音伝道についての新たな草案を作成中のロブ・ヘイ博士は、世界宣教において神学を伝道と文化的背景にうまく当てはめていくことが重要であり、「私たちは刻々と変わりゆく世界においていつまでも変わらない神の真実があることをはっきりと明示していかなければなりません。これは個人的なキリストとの出会いによる転換によってのみ、可能になります。神様は社会の転換、社会の共同体そして世界に影響を与えられるお方です」と述べた。