【CJC=東京】トルコで話題になった1500年前のアラム語聖書。18世紀初めにイタリア語本が発見された「バルナバの福音書」ではないか、と現地メディアの推測が飛び交う中、バチカン(ローマ教皇庁)が調査を要請した、と保守系紙『ザマン』のウェブサイトが伝えている。
問題の聖書、トルコ警察によって、2000年に密輸捜査の際に地中海地方で発見され、アンカラの民族博物館に引き渡された、とも報じられた。問題の聖書はアラム語で書かれ、動物の皮にシリア文字で記されているという。
バルナバの福音書の現存する最古の写本は16世紀のものでイタリア語とスペイン語で記されている。
バルナバの福音書は、イエスが預言者ムハンマドが地上に来ると予言した、などイエスに関する記述がイスラム教側の見解の下に立っており、正典としての新約聖書と反する所から、キリスト教会側ではその真正性が疑問視されている。
ただ密輸の対象にされるだけあって、警察に押収されなければ4000万トルコ・リラ(約12億円)で売られたとの推定もある。
現在、アラム語を話すのはダマスカス近郊の小村に居住する少数。