【CJC=東京】教皇べネディクト16世は1月20日、バチカンのパウロ6世ホールに集まった「新求道共同体(ネオカテキュメネイト)」のメンバー約7000人と接見、同共同体を「聖霊が現代に与えてくれた特別な賜物」と評価、その活動に最終的な承認を与えた。
教皇は、共同体のメンバーが復活のキリストを、「母国を離れてまで、個人的なまた物質的な安全を犠牲にしても」伝えようとしていることを称賛した。
カトリック教会内の信徒運動として発足した新求道共同体は、これまでの典礼とは異なる様式で行われていることから反発を招く一方で、追随者が増え、教勢が伸び悩む中で「成功」という評価も受けてきた。
新求道共同体は、初期のキリスト者共同体をモデルにした緊密な小集団を基盤としており、司祭の指導の下に霊的成長を遂げてきている。
教皇は、共同体が行っている夕方に行うミサについて、管轄教区司教の承認を得、広く公開されることという条件付きながら執行を承認した。さらに、小教区で分裂行動をしないようクギはさしている。
教皇は新求道共同体を、特に世俗主義が「神意識を失わせ、キリスト教的価値を覆い隠している現代のための聖霊の「特別な賜物」と称賛、新求道共同体の運動は、キリスト者が自らの信仰の「美」を再発見することに役立つ、と評価した。
新求道共同体が行っている世俗的なコンテキストでの説教重視は、べネディクト16世が重視している、信仰が弱まっている西側諸国への「再福音化」重視に呼応する。
特別接見の最後に、べネディクト16世は新求道共同体の宣教を担う17チームを送り出した。派遣先は仏、ベルギー、スロベニア、オーストリア、エストニア、英国などヨーロッパ各国と米国。それぞれのチームは3ないし4家族と司祭1人で構成されている。
カトリック教会の宣教は各司教に委ねられており、同共同体の活動を禁止する司教も各国に出ている中で、共同体の創設者キコ・アルゲイヨ氏は、今回の教皇の承認至るまでに受けた「多くの障害」を越えた「歴史的な時」だったと語っており、司教たちの対応が注目される。
教皇は、新求道共同体に、教区司教と密接に協力し、メンバーが小教区が行う通常の典礼に参加するよう奨励すべきた、と勧告している。