~キリストの十字架の意味~
続いて中川氏はキリストの十字架と復活について、「聖書が啓示していることは『神はどういうお方か』ということと『その神にいかにして近づけるのか』というこの二つであり、この両方を示されたお方がイエス・キリストです。イエス・キリストというお方を通して私たちは救われるのであり、このお方は100パーセント神である一方100パーセント人であるお方です。一般的に考えると矛盾しますが、人間の頭では理解できないからこそ啓示が必要でした。神でなければ私たちを救えず、人でなければ死ぬことはできません。死んで私たちを救うためには、神であり人である必要がありました。私たちが伝えようとしているグッドニュースとは、『イエス・キリストに関する良き知らせ』であり、イエスが私たちのために何をして下さったかという事を伝えるのが伝道です。キリストは私たちの罪のために死なれ、墓に葬られ、3日目に復活されました。キリストは私たちの罪のために死なれたというところで終わってしまっては、福音の3分の1しか言っていないことになります」と指摘した。
中川氏は「キリストは3日目によみがえり、今も生きておられるということを宣言しなければなりません。そのような方としてイエスに信頼を置く人は、直ちに瞬間的に霊の生まれ変わりと神としての特権が与えられます。これ以外に福音はありません。この基本に返ることが必要です」と説いた。
~律法の時代、恵みの時代、そして御国の時代~
次に中川氏は「時代区分」について再確認する必要があるとし、「キリスト教とは、世界観であり、歴史観でもあります。聖書の全体像をつかんでいれば、世界で生じる出来事に『想定外』ということはあり得ません。全ては想定内ということになります。聖書によって過去から学び、今がどういう時代であるかを知り、将来どこに行こうとしているかを知っているのが私たちです」と説き、全ての聖書を信じるキリスト者は「律法の時代と恵みの時代」が分けられていることを信じており、それならばしっかりと恵みの時代に移り変わった信仰の持ち方をしなければならないと強調した。
教会に行き、洗礼を受けたならば、後はただ天国行きの列車が来るのを待っていればよいのではなく、これからどういう展望に向かって生きていくべきかの将来の見通しが建てられるべきであり、恵みの時代の後に御国の時代が到来するということに目を向けなければならないと述べた。 この御国の時代が到来することが、いつの間にか忘れられてしまうことで、歴史観、世界観のないキリスト教になってしまうと警告した。
その上で、中川氏は「神様が全宇宙を贖い、作り変え完成品を作ろうとする壮大なプロジェクトにお互いが召されています。そのプロジェクトにおける自分の立ち位置を確認することが『今を生きる』ということです」と述べた。
~終末はイスラエルの救いと共に来る~
最後に中川氏は終末論について、ローマ書11章25節~29節を引用し、「私たちひとりひとりが救いにカウントされています。異邦人の救いの『最後の人です』という瞬間が来ます。そうなったときにイスラエルの救いも近づきます。異邦人が救われたときに、ユダヤ人も救われる時が来ます」と説明した。
詩篇118篇26節には「主の御名によって来る人に、祝福があるように」と書かれています。またマタイ23章39節では同聖句が引用されており、「『祝福あれ。主の御名によって来られる方に。』とあなたがたが言うときまで、あなたがたは今後決してわたしを見ることはありません」と書かれてある。
中川氏は、「ユダヤ人たちがイエスをメシアと信じてその方をお迎えするまでは、イエス様は帰って来ず、そうなったときには帰って来ます。これが再臨です。ですから再臨を論じる人は、イスラエルの救いがメシア再臨の条件であることを理解しなければなりません」と述べ、異邦人がユダヤ人に比べ旧約聖書のメシア預言に疎くなってしまっていることを指摘した。
その上で、今現在の時代について、「ユダヤ人たちが個人的にも救われ、また民族としてもメシアであるイエスに心を開きつつある時代に来ています。大正期に内村鑑三が展開した再臨運動が21世紀の日本で受け継がれ、その信仰を継承し、さらに育てていく必要があります」と呼び掛けた。
ハーベスト・タイム・ミニストリーズは3月20日、淀橋教会(東京都新宿区)で3回目の再臨待望聖会を行う予定である。同聖会では、イスラエル聖書大学学長のエレズ・ソレフ氏によるイスラエルにおける「メシアニックジュー」運動の過去・現在・未来についての講演がなされる予定であるという。東京会場ではさらに、愛知教育大学教授の黒川知文氏による「内村鑑三と再臨運動」についても講演がなされるという。詳細はハーベスト・タイム・ミニストリーズホームページまで。